カナダの市民権申請から半年が経過してようやく受理された話

勘違いしないで下さい。あくまでもただ「受理」されただけです。

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「受理」された、つまり「あなたの申請書を受け取りましたよ(これから審査しますよ)」と言っているということ。本当にただそれだけのことなのに、その提出から丸々半年が経過してしまった。

残しておいた記録を確認してみると、申請を提出したのは今年の5月21日だったらしい。

コロナ禍のせいで人員不足に陥ったのは移民局も同じで、そのホームページ上にも各種申請の処理には普段より時間を多く要しているとの説明があるのは私も見て知っていた。ただそういった状況を踏まえてか否か、以前は郵送オンリーだった申請書の提出が原則オンライン申請へと変更になっている現状もあり、実際にはそこまでは待たされないだろうと高を括っていたのだ。

改めて気づかされる自らの「カナダ経験値」の低さ。ようやく辿り着いたシャンパーニの塔カンダタを相手に苦戦しているようなものか(推奨レベル14)。

そうとは言え、私もいたずらにカナダで5年半の時を過ごして来た訳ではない。

実は9月に1度移民局から連絡が入り、先に提出済みの顔写真が規格外だから再度提出するようにとのお達しがあった。今日を迎えるまでに半年も要したのにはそういった事情もある。

ところが問題はその写真が要求を満たしていない理由など全く見当たらなかったこと。更に問題なのは、どう要求を満たしていないのかすら教えてもらえないこと。見た目にはオンライン申請へと効率化が進んで便利になったようで、所詮お上仕事しかできない人々に操られるシステムだから結局はお上の上塗りに過ぎず、それを使うことを迫られる申請者からすれば却って非効率と言わざるを得ない。

ではその時私はどのように対応することを選んだのか。

答えは簡単。同じ写真を再提出しただけだ。

一見リスクを伴う行動にも思えるが、それでもまず大丈夫だろうと私には妙な自信があった。それに間違い無く要求通りに準備した写真が通らないのならまた新たに撮っても同じ事が起こり得るのだし、その為に無駄金を払うぐらいならば再提出して様子を見てもいいだろうとも考えた。そして実際に申請は受理された。

全くイラつかなかったと言えばウソになる。それでも、同じ写真を再提出すると決めたことも、その後またさんざん待たされて漸く受理されたのに「まあそんなもんだ」と捉えられるのも、私がこれまでに積み重ねて来た「カナダ経験値」があってこそ為せる業なのだろう。そしてこの過程に於いてもまたレベルの1や2は上がったかも知れない。

市民権の申請には一定の語学レベルを満たしているのが条件だし、最後にはカナダの政治や歴史について問われる知識テストにも合格しないといけない。

しかし今回の件を通じて、この国で重視されるのはやっぱり「Canadian Experience」なのだと感じさせられた。多くの移民が就職活動中に頭を悩まされる要因となるヤツの存在は、人々が市民権を申請する際にも同じように付き纏って来るらしい。

ここで引き続き生活経験を重ねて行き、私のレベルもどうにか20に達する頃には市民権の申請も通るのだろうか。その時にはダーマの神殿転職するかの如く、晴れて市民権宣誓セレモニーに参加し、国籍上はカナダ人になる日を迎えることになる。レベル18でも、レベル19でもなく、最低限でもレベル20に達した自分が後ろめたさを覚えること無くその日を迎えられるように、明日も明後日も大切に過ごして行きたいと思っている。