カナダ入国時にPCR検査キットを渡されてしまったら

カナダへの入国者に対しランダムで実施されているというPCR検査。ランダム=無作為、つまり抽選のようなものと捉えれば楽しいはずが、結構な確率で選ばれるというのだからそんなにうれしくはない。


実は私も直近の3回のうち2回で、PCR検査キットという有難いギフトを頂戴している。

カナダへの入国時にあくまでもランダムで実施されているというPCR検査。ランダムなどと聞けば「まあ自分には回って来ないだろう」と思ってしまいがちだが、実際には結構な確率で検査を迫られるとも聞く。

0. 空路によるカナダ入国の場合(空港で検査実施)

国外から飛行機でカナダに降り立った場合、検査は基本的に到着空港内で実施され、カナダ国内他都市への乗り継ぎがあるケースでも、その検査結果を待たずしての移動が許されている。

しかし最終目的地到着後については、カナダ入国前の14日間にどの国に滞在歴があるのかで状況が異なる。日本を含むカナダとアメリカ以外の国に滞在したことがあれば、検査結果が出るまでの期間は自己隔離が必須となるのに対して、過去14日間の滞在歴がカナダとアメリカの範囲内に限られる場合には隔離は求められていない。

参考:COVID-19 vaccinated travellers entering Canada – Canada.ca

当然ながら、この検査で陽性であることが確認された時にはまた別の対応が必要となる。

1. 陸路からのカナダ入国の場合(PCR検査キットを渡される)

到着したその場で検査をしてもらえる空路での入国とは違い、陸路経由での入国時にPCR検査の対象に選ばれてしまうと少し面倒だ。何もかもされるがままで済んでしまう前者とは対照的に、後者のケースでは全て自分から動くことを求められる。

当地オンタリオ州の場合、

  1. 入国の際に検査キットを渡され、簡単な説明を受ける
  2. 指定検査業者のウェブサイトでアカウントを作成の上、検査キットを登録する
  3. ビデオ通話を通じ、検査業者担当者を前に検体を採取する
  4. 指定宅配業者に集荷を依頼するか、営業所に直接持ち込む
  5. 結果の通知を待つ

といった流れだ。

ちなみに、いくら面倒に感じても拒否するなどという選択肢は残されていない。

2. 24時間:入国から検査実施までに許された時間的猶予

もし運悪く検査キットを渡されてしまったら、その後のスケジュールが狂わされてしまうかも知れない。

指名されたら最後、もう誰にも逃れられないこの検査は、入国から24時間以内に前述の手順に従って完了しなければならない。24時間とは入国から検体採取までの時間を基準にしていて、その後の集荷(或いは持ち込み)から検査結果の通知までに要する時間は含まれないものの、それだけの限られた時間内に突如割り込んで来た新規のイベントを優先的にこなさねばならないとなれば困惑する人だって居ることだろう。

3. PCR検査キットに含まれるもの(オンタリオ州の場合)

オンタリオ州指定の検査業者 Switch Health* により提供される検査キットに含まれるのは

  1. 説明書
  2. スワブ(検体を採取するのに用いる長い綿棒状のもの)
  3. スワブを収納するチューブ(シリアルナンバーが記載されたシール付き)
  4. 名前と生年月日を記入するステッカー
  5. 消毒シート
  6. 箱に封をする為のシール
  7. 宅配業者 (Purolator) 指定の梱包袋

の7つで、これら全てが入国時に渡された箱に収められている。

*Switch Health は、アルバータ州、ニューブランズウィック州、ノバスコシア州でも検査業者に指定されている。

4. アカウントの作成

この点についてもあくまでオンタリオ州での状況を元に説明するのだが、検査を受けるにあたってまず初めに行わなければいけないのは、検査業者のウェブサイト上でアカウントを作成すること。スマートフォンからの場合、検査キットに含まれる説明書にあるQRコードからウェブサイトにアクセスできる(パソコンを使うのならばこちらからアクセスが可能)。

アカウントの作成自体は決して難しくなく必要事項を記入するだけでいい。ただこの際にカナダもしくはアメリカの携帯番号と、カナダ国内の住所が必要になる点には注意したい。ログイン時にはここで登録した携帯番号にコードが送信され(オプションでメールによるコードの送信も選択可能だが、アカウント作成には携帯番号の入力が必須)、また住所はそのまま検体の集荷地点になる(宅配業者に集荷を依頼したケース)。

5. 検査キットの登録

アカウントの設定を済ませると、検体の採取へと進む前にはまだ検査キットの登録が必要だ。

前述のサイトにログインした状態で、メニューの「At Home Test Kit」をクリックし、検査の種類は「RT-PCR / At Home Specimen Collection Kit」を選択。次の画面では、安定したインターネット接続が可能であるかどうか、推奨されるブラウザを利用しているか、ハンドサニタイザーを使って手を消毒済みか、などといった質問事項に全て「Yes」であることを確認し、最後に検査キット中のチューブに貼られたシリアルナンバーを登録すれば準備は完了。

なお、ここでの質問事項にも含まれているのだが、カナダの永住権カードや、パスポート(国籍不問)等の身分証明を手元に用意しておくことと、ビデオ通話が始まる前の時点ではチューブの蓋を外したり、スワブを取り出したりしてはいけない点は忘れないようにしたい。

6. 検体採取のプロセス

以上の準備を終えてとうとう検体採取のプロセスへ。

検査キットの登録後はその流れでビデオ通話の画面へと移行する。この際に先方の担当看護師との会話で用いる言語を選択することができるようにはなっているものの、残念ながらその中に日本語は含まれていない。言語を選択するとスクリーンが開き、マイクとスピーカーへのアクセスを許可したら、その状態で順番が回って来るのを待つことになる。画面上にはおおよその待ち時間が表示されるのだが、せいぜい10分も待てば看護師が姿を見せるだろう。

会話は名前と生年月日、そしてシリアルナンバーの照合から始まり、検査キットに含まれているべきものに漏れが無く、チューブとスワブがいずれも未開封の状態であることを確認される。その後はキットに含まれるステッカーに名前と生年月日を記入し(名前は名・姓の順、生年月日は年・月・日の順でそれぞれ記入)、チューブに貼り付ける。チューブには既にシリアルナンバーとバーコードが印刷されたステッカーが貼られているのでそれを避けるように、且つ縦向きに(チューブを横に倒した時に文字が読めるように)貼らなくてはいけない。

さあ、そして本番だ。検体を採取してから慌てずに済むよう、まず最初に中に入った液体をこぼしてしまわないように注意しながらチューブの蓋を開けておく。そしてスワブをパッケージから取り出す。

それまでは人様にお願いしていた検体の採取を自分でやるとなると初めは案外緊張するもの。それでも看護師が「1cm 程度入れたら充分」だとか、「1.5cm~2cm 入れて」などと言ってくれると、「なんだ、それだけの事か」と結構簡単に安心してしまえる(時々でその数字が異なるのは多少気になるが)。大丈夫、全然難しくなどはない。

ここできっと役に立つであろうアドバイスは、鼻の下を目一杯伸ばすようにしてから(そう、つまり猿のような感じだ)、スワブを鼻に挿入するとずっとラクに採取ができるということ。これは以前私自身が検査の際に看護師に教わり、その後検体採取をお願いする場合と、自分で採取する場合を問わずに実践している方法で、この方法を覚えて以来検査をするのが全く憂鬱でなくなった。ビデオ通話で画面越しにその様子を見られていたってもう今更気にしない。

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ちなみに、スワブは左右両方の鼻に挿入し(どちらが先でも構わない)、それぞれ5秒程度回せばいいらしい。こうして採取を終えたら、スワブをチューブに収納して、余った部分を折って蓋をすれば終了。

チューブは元の「バイオハザード」の表記があるジップロックの袋に戻し、今度はこの袋を検査キットが入っていた箱へ。箱は閉じたらキットに含まれていたステッカーでとめて、これをまた宅配業者指定の袋に収める。袋に封をしたら、消毒シートを使いステッカーが貼られた部分を除いてきれいに拭く(特に「送り状」のステッカーは拭いてしまうと印字が消えてしまうので注意)。

7. 検体は集荷を依頼する?それとも持ち込む?

こうして無事に検体を採取するとビデオ通話も終わり。続いて集荷依頼の画面へと移行する。集荷は登録済みの住所に来てもらうこととなり、集荷担当者との直接的な接触を避ける為、指定した時間の15分前に集荷場所のドアの前に検体を収めた袋を置いておくように指示される。しかし私個人の場合、残念ながら自宅ドアはそのまま人通りの多い歩道に面していることもあり、たかだか15分と言えどもそのような場所に放置しておくのにはいささか不安が残る。

そこでもう1つのオプションの登場だ。つまり自身で配送業者の営業所に持ち込むというもの。このオプションを選択する場合、登録済み住所に基づいて近隣の営業所が画面上にリストアップされ、その中から希望する場所を選択してしまえば終わり。選択するとは言っても、私の住むウィンザーでは町外れの空港に程近い店舗が唯一選択可能な営業所であり、次に近い場所は70kmも先の町にある店舗だ。恐らくトロント一帯であればもっと便利なのだろう。

配送前に覚えておきたいのは、宅配業者の梱包袋にある「送り状」に印字された追跡番号をメモしておくこと。そうすることによって発送後の状況を逐一確認できるようになる。

8. 結果判明までの待ち時間は?

カナダへの入国直前の検査で既に陰性であることを証明されている身としては、入国当日に改めて受けた検査で陽性反応が出るなどとは想像もせず、特段不安に感じることは無いにしても、早いところその結果を知っておきたいというもの。特に過去14日間にカナダとアメリカ以外の国での滞在歴がある場合、検査結果が判明するまでの期間は待機義務が生じるのだからなおさらだ。

しかし結果が判明するまでに必要となる時間は、どうやらその時々で差があるらしい。直近のカナダ入国時、2回連続して検査キットを受け取っている私の場合、1回目については比較的すぐに結果が出たものの(所要2日)、2回目の今回は土曜日午後に入国、当日夜に検査を実施、宅配業者の営業所が開く翌週月曜日午前中に持ち込んだ後、木曜日の今日になっても午前中の時点でまだ結果は出ておらず、検査業者からメールで「検査数が多く、普段よりも時間がかかっている」との通知が入った。

それでもこればかりは自分ではどうしようも無い。ただただ、心を穏やかにして辛抱強く待つのみだ。

 

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