カナダの市民権取得申請を出して9ヶ月時点での進捗状況

コロナ禍の影響もあって、何もかもに時間を要する状況に陥っているカナダ。市民権の申請についてはどうだろう?

本来「市民権の申請から取得までに要する時間は1年程度」、だった。

カナダの市民権取得申請を出して早9ヶ月。実際にはそれよりも更に3ヶ月程前に申請を出し、写真が規格外であるとして一度跳ね返されているから(詳細は『カナダの市民権申請から半年が経過してようやく受理された話』参照)、その期間も含めたらもう1年が過ぎてしまったことになる。

しかし、まだ提出からは9ヶ月、受理された時から数えれば半年しか経っていないのだから、全く進捗が無かったとしてもおかしくないのかも知れない。と言うのも、最近になって政府のサイトが更新され、全過程に要する時間がかなり伸びているようなのだ。

2022年6月現在、カナダの市民権取得までの所要時間は27ヶ月。

つまりそれまでの倍以上の時間がかかるようになってしまった訳だ。

物事が順番通りに進まないのもカナダらしい

市民権の申請が受理されると、語学レベルやカナダ国内での滞在日数等、提出した書類に基づいて確認される項目と、個人情報から確認される犯罪歴の有無のような項目のそれぞれで審査があり、更には市民権テストを受け、これら全てを無事にパスした者だけが晴れて市民権を付与される。

普通に考えれば、申請条件を満たしていることを証明する書類、つまり語学レベルやカナダに於ける滞在日数の確認から済ませてしまえばいいものの、今回の私のケースでは、どういう訳か、そういった審査がまだ済んでいないうちに、本来ならば最後に受けるべきはずの市民権テストを先に受けるようお達しがあった。

いくら私がごまんと居る申請者の中の一人に過ぎなくとも、市民権テストを実施する上で幾らかのコストは発生するだろうに、どうして初めから順序に則って物事を進めないのだろうかと疑問に感じるも、そんな自らを納得させる唯一の答えはいつだってここがカナダであるということだ。そして私はカナダの市民権を申請している。

何より、申請の過程にはより長い時間を要するようになっている今、申請書類提出から7ヶ月の時点で市民権テストを受けることができたのだから、もう充分出来過ぎだと喜ばないと逆にバチが当たりそうだ。

市民権テストはオンラインで実施

こうして突然届いた通知で、私はまず先にテストを受けなければならないことになった。文字通り突然で、4月5日の朝にメールが届き、翌々日の4月7日から同月27日までの間に、オンラインで受けるようにとのことだった。

学生の時分に幾度と無く受けたテストと同じで、当然ながら市民権テストにも準備が必要になる。

全ての問題は Discover Canada(フランス語バージョンは Découvrir le Canada)という、市民権テストの準備の為に用意されたパンフレット状の学習ガイドに記載がある内容から出題され、歴史、文化、政治、経済等とその内容は多岐に渡る。恥ずかしながら、正直これまでほぼタッチして来なかった範疇であり、20問中最低でも15問に正解しないといけないのは、私自身にとって決して簡単に越えられるハードルではないように思えた。

それからの私は丸々2日間、ほぼ部屋に缶詰状態でテストの準備をした。学習ガイドには重点らしい重点が無く、初めから終わりまで、どの内容も力を抜かずに読まないといけなかったものだから、大した英語力の無い私は肉体的にも精神的にもとことん絞られた。

甘くみるな。テスト勉強は万全に。

person writing while using phone

市民権の申請も、パスポートの申請も、カナダはまるで時が止まってしまったかのよう。

短期間に詰め込み作業を行うことに関しては、幸い私にも日本在住時代に貯め込んだ経験値が幾らか残っている。今回もその経験を活かし、そして運をも味方につけ、何と市民権テストを満点の成績でパスすることができた。

しかし、それから2ヶ月が過ぎようとしている今日に至るまで何の音沙汰も無い。語学レベルについては、移民向けのクラスで市民権の申請に必要なレベルまで修了しているし、カナダ国内での滞在日数だって十分要求を満たしている。そんな簡単なことの確認と審査に一体どれだけ時間が必要なのだろう。

カナダの「国獣」、つまり国を代表する動物としてビーバーが挙げられるが、そろそろ亀に変更してもいいのではないか。カナダに暮らして6年、私もまだ生ビーバーを見かけた試しが無いし。

などと言うのは冗談にしても、今のカナダは市民権の申請のみならず、パスポートの申請でも信じられない程の時間がかかっていて、後者についてはニュースでも頻繁に取り上げられている。それをコロナと結びつけようにも、今のカナダはコロナと共存するという方向性で社会が回っていて、ほぼ普段通りの生活に戻っているのだから、その流れを先導すべきお上にもやはりもう少ししっかりして欲しいものだ。

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