コロナ禍でカナダ入国に設けられる高いハードル = 2000ドル(約16万5千円)

注意:ここに書かれた内容では、世界全体で広がる感染症(新型コロナウイルス)の影響下に於いてカナダで採られている対策と、その対策方針により設けられている各制限について主に触れており、状況の変化によっては情報の正確性を失う可能性があります。最終的な判断を下す前には必ずカナダ政府のウェブサイト(英語 / フランス語)で最新情報を確認してください。


コロナ禍の影響で原則的に外国人の入国が禁止されて久しいカナダ。無論特例で入国が許可される外国人も居れば、カナダ国籍の市民権や永住権を持った人の入国まで拒むのは非現実的で、これまでコロナウイルスの蔓延を抑えられずにいる。そしてここに来て見つかったイギリスと南アフリカを発生源とする変異種についても、カナダ国内でその感染者が確認され始めている。

そのような状況下でカナダ政府が新たに強化を打ち出した入国規制は相当にアグレッシブなものだ。

  1. カナダに入国する為だけで2000ドル以上が必要に?
  2. それでもカナダへの渡航を決めたなら
  3. 検査結果判明後の移動方法と自己隔離期間
  4. 陸路でカナダに入国した場合

カナダに入国する為だけで2000ドル以上が必要に?

これまでに実施されている対策として、カナダに向かう航空機に搭乗する乗客に、航空機の出発時刻から72時間以内に実施された検査で陰性であった事を示す検査証明の提出義務化がある。

そして今回、その対策を強化すべくカナダ政府から発表されたのが、空路でカナダに入国する人を対象に到着空港で検査を実施するとの内容。更には検査結果が出るまでの3日間、政府が指定する宿泊施設での強制隔離措置となり、ここで発生する費用については入国者の完全自己負担が求められ、その額は2000カナダドル(現在のレートでおよそ16万5千円)以上になる。この措置は2021年2月22日から実施されている。

“All travellers arriving to Canada by air, as of February 22, 2021, with some exceptions, will be required to take a COVID-19 molecular test when they arrive in Canada before exiting the airport, and another toward the end of their 14-day quarantine period. With limited exceptions, air travellers, will also be required to reserve, prior to departure to Canada, a 3-night stay in a government-authorized hotel.”

Government of Canada expands restrictions to international travel by land and air / Canada.ca

宿泊施設は後述するカナダ国内4ヶ所の空港周辺にあるホテルで、入国を予定する者が事前に確保しなければならない。ここで知っておきたいのは、

  • 2021年3月10日現在、政府指定のホテルはバンクーバーで12カ所、カルガリーは5カ所、トロントが17カ所、そしてモントリオールでは13カ所(今後増える可能性もあり)
  • オンラインで予約が可能なホテルが増えているものの、電話でのみの予約受付となっているホテルも一部にあり(日本からの予約にはコレクトコール利用可)
  • 搭乗予定の飛行機の出発時刻から48時間以内に予約する(予約受付時間はカナダ東部時間の午前8時〜午後11時、日本時間の午後10時〜翌日午後1時の間)報道によると電話が非常に繋がりにくい状態が続いているとの事

ホテルの予約に関する詳細は、カナダ政府のウェブサイトで確認できる。

なお、費用がここまで高額になる理由として、カナダ政府は以下の内容を含む為としている。

  • 宿泊料金
  • 食事代
  • セキュリティ対策費用
  • 感染予防対策費用(空港での検査費はここに含まず)
  • 空港からホテルへの交通費

飛行機に乗る前の検査で既に大枚を叩いているにも拘らず、カナダ到着後更に大きな額の支出があるともなれば、これから入国を予定している人には大ダメージだ。

それでもカナダへの渡航を決めたなら

今回発表された、入国時の強制隔離措置とそれに対して発生する費用は与えるインパクトこそ強烈でも、それさえ受け入れればカナダに入国できると言える程単純なものではない。あくまで海外からの入国者に起因する感染拡大を防ぐ為に採られた対策の一環に過ぎない。

ー まず入国可能かどうかを知る

カナダで永住権を保持する場合を除き、外国籍者は原則として入国禁止になっている状況で、現在特例として入国が認められる条件のうち一般の日本人に適用されそうなケースは、

*近親者:①婚姻関係やコモンローの関係にある者、②親、③未婚且つコモンローの関係にもない22歳以下の子供等。

**extended family member:①過去1年以上に渡って恋愛関係にあり、且つ一定の同居期間を有する者(双方が18歳以上である事)、②実子(上記「近親者」の条件に含まれない子供)、③未婚且つコモンローの関係にもない22歳以下の孫、④兄弟や姉妹(異父或いは異母の兄弟、姉妹を含む)、⑤祖父母等。

***同情に値する理由:①危篤状態にある人に会いに行く、②医療的見地から必要とされるサポートを提供しに行く、③葬儀に参列する等。

ー 入国に必要な書類を準備する

上述した条件を満たしていれば即入国が許される訳ではなく、それを証明できる書類の準備が必要。詳細はカナダ政府のウェブサイト(フランス語サイトは各ページを開いた後右上で Français を選択)で確認できる。

ー 近親者の場合

Find out if you can travel to Canada – Foreign national without symptoms – Family – Immediate Family

ー extended family member の場合

Find out if you can travel to Canada – Foreign national without symptoms – Family – Extended family

ー 同情に値する理由がある場合

COVID-19: Compassionate entry for travellers and limited release from quarantine

ー カナダ入国の条件を満たす留学生の場合

International students: Travel restrictions and exemptions

ー 雇用先が決まっているワーキングホリデー制度利用者の場合

Coronavirus disease (COVID-19): International Experience Canada applicants

ー ビザもしくは eTA がある事を確認する

コロナ禍の最中だけ特別に必要となる書類を揃えても、ビザや eTA が無ければカナダには入国できない。学生やワーキングホリデーが渡航目的である場合にはビザを、その他ビザを必要としない目的での渡航には前もって eTA の申請を忘れずに。

電子渡航認証(eTA)を申請する

既に申請済みの eTA のステータスを確認する場合はこちらから

Electronic Travel Authorization (eTA) Status

ー 航空券を手配する際に注意する事

国外からカナダへの入国者に強制隔離措置を課す方針と同時に発表されたのが、カナダと世界各地を結ぶ全ての国際線をトロント(オンタリオ州)、モントリオール(ケベック州)、バンクーバー(ブリティッシュコロンビア州)、カルガリー(アルバータ州)の四大空港に集約させる決定。2021年2月3日から既に実施されている。

入国時の強制隔離措置が実行に移されると、まずこれらの空港に到着し、PCR検査を受け、入国審査を過ぎた後に即隔離に入る事を求められる。最終目的地への乗り継ぎを要する乗客は、隔離を経て陰性が確認された時点で初めて移動が可能になるとの事。この措置がいつから実施されるのか、例外となる条件はあるのかなど、現時点ではまだ不確定要素が多い為、航空券を購入する際には充分注意が必要。

“When the new arrival testing measures take effect, you will be required to stop over in the Canadian city in which you entered for a mandatory 3-night hotel stay. You must receive a negative test result before continuing your trip, and complete your quarantine at your final destination.”

Travel restrictions in Canada – Flying to and within Canada / Canada.ca

なお、現在カナダと日本を結ぶ直航便はエア・カナダ2月15日から4月30日にかけて運休が決定)、日本航空全日空がそれぞれ運航を維持しているものの、いずれも東京(成田・羽田)からバンクーバーの間での運航のみに限定されている。

各州が独自に定めたルールを確認する

カナダでは連邦政府が国全体に適用されるものとして定めたルールと、各州政府が独自に定めたルールが存在し、海外にも伝わっているものはほぼ前者のみに限られる。ところが州政府の権限が弱くないカナダでは、後者の設定したルールも決して無視する事はできず、それは海外からやって来る旅行者や留学生であっても変わらない。

例えば既にトロントピアソン国際空港で海外からの到着旅客に対して実施されているPCR検査(空港から出ずにカナダ国内他州へと乗り継ぐ乗客は対象外)。前述の連邦政府による決定とは別に、2021年2月1日からオンタリオ州政府が独自に実施をスタートさせている。

マニトバ州は同様に海外から入国した者に対し、その入国ルートを問わずPCR検査を義務づけており、州内に入り次第速やかに1回目の検査を受け、症状の有無に拘らず7日後に再検査を受ける事が求められる。

また、これは海外からの入国者に限定された話ではないのだが、ケベック州では州域全体で夜間外出禁止令が発令されている(地域によって外出が禁止される時間帯が異なり、モントリオールやケベックシティでは夜8時から翌朝5時にかけて)。

その他の州についても、必ず出発前の確認を怠らないようにしたい。

日本で事前にPCR検査を受ける

現在カナダ政府は、入国者の国籍や入国資格を問わず、空路から入国する全ての人に対し、事前に検査を受け陰性の結果であった事の証明を搭乗手続の際に提示するよう求めている。

注意しなくてはいけないのは、搭乗する航空機の出発時刻から72時間以内に受けた検査のみ有効となる点。これを守らなくては飛行機に乗る事すら許されない。

日本国内に於いてPCR検査を受けられる医療機関については、厚生労働省のウェブサイト上にて「自費検査を提供する検査機関一覧」で紹介がなされており、カナダ政府のウェブサイトでもそのページへのリンクが貼られている。若しくは、経済産業省のウェブサイトで紹介されている海外渡航者新型コロナウイルス検査センターのページを見ると、海外への渡航目的で必要となる検査に限定された情報の入手も可能。

最も便利なのは成田羽田の空港内で受けられる検査で、出発前に検査を受け、その結果が出るのを待てるだけの時間の余裕がある場合、一番手っ取り早い方法と言えるだろう。

ArriveCAN で入国に必要な情報を事前に申告する

ArriveCAN全ての入国者に登録が義務づけられているアプリで、入国後の自己隔離計画提出や、隔離期間中の症状の有無についての報告などを行うようになっている。

アプリを使う事のできるスマートフォンが無い場合には、ウェブ上で新規のアカウントを作成した上で必要事項を登録する事も可能で、この場合は登録内容が表記された画面をプリントアウトするなどして携帯しなくてはならない。

また、スマートフォンがあってもカナダ入国後はインターネットに接続不可である場合には、出発前に登録済みの内容が表記された画面のスクリーンショットを保存しておく事でも問題無い。

検査結果判明後の移動方法と自己隔離期間

日本では海外からの入国者に対し、空港からの移動には公共交通機関を使わないよう強く求めているが、カナダでは少なくとも連邦レベルに於いてこれまでそのような要請は出ていない。

しかし、事前に ArriveCAN で提出したプランで申告済みの隔離場所まで速やかに、且つ直接移動する事が求められ、到着後に自己隔離へと移行する事になる(到着次第、必ず ArriveCAN を用いて隔離場所に到着した事を報告する)。

なお、特例が適用される一部を除いて全ての入国者に14日間の自己隔離が義務づけられているが、前述の強制隔離措置が実施されると、14日からホテルでの強制隔離日数を差し引いた日数が自己隔離期間となる(例:強制隔離が3日に達した場合、残りの11日間が自己隔離期間)。

陸路でカナダに入国する場合

現状、カナダでの長期滞在資格を持たない人が陸路を経由してカナダに入国するようなケースはほとんど無いと思われるものの、補足として紹介しておくと、

*一部の陸路国境:Douglas (British Columbia), Coutts (Alberta), Queenston-Lewiston Bridge in Niagara-on-the-Lake (Ontario), St. Bernard de Lacolle on Highway 15 (Quebec), St Stephen 3rd Bridge (New Brunswick), Ambassador Bridge in Windsor (Ontario), Blue Water Bridge in Point Edward (Ontario), Emerson West Lynne (Manitoba), Peace Bridge in Fort Erie (Ontario), Huntingdon (British Columbia), Thousand Islands Bridge in Lansdowne (Ontario), Pacific Highway (British Columbia), Rainbow Bridge in Niagara Falls (Ontario), St-Armand (Quebec), Stanstead on Route 55 (Quebec), Windsor-Detroit Tunnel (Ontario)

現在カナダとアメリカを結ぶ鉄道、バス、フェリー等の交通機関は運休している他、国境を跨いでのレンタカーの乗り捨てもできない模様。