犬を連れての日本帰国に備えて狂犬病抗体検査をする

このコロナ禍では人間が海外へ旅するのでさえ面倒になっているけれど、それでも動物を連れて日本に入国するよりはずっとラク。

犬や猫を連れて日本に帰る大変さは想像を絶する

20年近く前の話だが、私もその時分住んでいたアジアの国から日本に犬を連れて帰ったことがある。

動物病院に行き、そして検疫所に行き、同時に航空会社とも連絡を取る。口で言うだけなら簡単だが、まだネット上にも情報が少ない時代であり、調べ物をするだけでかなりの時間を要したことを覚えている。その上、どうにか無事に成田に到着したと思っても、当時はまだ空港での係留(2週間程)が必須で、係留期間経過後に改めて迎えに行かなくてはならなかった。

ところが、現在ではあの頃にも増して更に複雑になっているようだ。

最低でも半年前から準備を始めなければいけない理由

20年前も、そして今も変わらず、ペットを伴っての日本入国を果たすには結構な前準備を課せられるのだが、20年前と比較してより時間を要するようになった原因は、やはり入国前に異様に長い待機期間を求められるようになったことにある。

現在、狂犬病抗体検査を実施してから日本入国までには、採血(検体採取)日を0日目として180日を挟まねばならず、その日数を満たさずに日本入国する場合、不足分の日数については検疫施設での係留が義務付けられている。

動物検疫所の係留施設がどのような環境であるのか、私はこの目で見たことは無い。しかし、20年前に私の犬がお世話になった際、そこで大きな病気をもらって生死の境を彷徨ったことがあり、当然ながら印象はすこぶる悪い。

抗体検査へと進む前に満たさなくてはいけない条件

待機期間が長いからと焦って動物病院の予約を入れてしまう前に、抗体検査を受けるのにも満たすべき前提条件がある。

  1. 国際標準規格のマイクロチップを装着済みであること
  2. マイクロチップを装着後、狂犬病のワクチンを2回以上済ませていること
  3. 2回の狂犬病ワクチンは30日以上の間隔を空けて接種を受けており、且つ有効免疫期間の空白期間が無いこと

実は我が家の長女はこの条件で引っかかってしまった。

どこに引っかかったのかと言うと、2回目のワクチン接種を受ける前に、1回目のワクチンの有効免疫期間を2週間程過ぎてしまっていたことだ。

  • 1回目は、1年有効のワクチンを2020年2月8日に接種(有効免疫期間は2021年2月8日まで)
  • 2回目は、3年有効のワクチンを2021年2月24日に接種(有効免疫期間は2024年2月24日まで)

その理由はやはりコロナで、当時のかかりつけ医のみならず、他の病院をあたってもスタッフ不足などの理由で予約を入れることがどうにも叶わなかった。

理由はどうあれ、この場合本来の1回目の接種はカウントされず、2回目を「1回目」とカウントすることになり、日本入国の条件を満たす為には、現時点で有効免疫期間がどれだけ残っているかにかかわらず、「2回目」のワクチンを改めて接種しなければならないことになる。

狂犬病の抗体検査を依頼できる場所が少ない

それにしてもさすがにちょっと不親切だと感じてしまうのは、狂犬病の検体検査は日本の農林水産省が指定する検査施設で実施されたものであるよう求められるだけでなく、その検査施設の大半がヨーロッパに集中していること。

ここ北米にはわずか2ヶ所のみで(その内1ヶ所は米軍関係者のみを対象)、いずれもがアメリカにあるばかりか、実は南北アメリカ大陸全体で見てもこの2ヶ所しか無い。

検体そのものは採血を依頼した動物病院から送ってもらう為、飼い主の手を煩わせるようなことは無くても、例えば私が住むカナダから送るともなれば、その分輸送料が余計にかかるのは避けられない。また輸送の過程においても、国境を越えるのと、その必要が無いのとでは、やはり後者の場合に幾らかでも不安要素を軽減できるのではないかと思う。

狂犬病抗体検査前の書類準備

カナダに住み、且つ米軍関係者などではない私だから、アメリカに2ヶ所あるという検査施設のうち、カンザス州立大学狂犬病研究所(Kansas State University Rabies Laboratory)のみが抗体検査を依頼できる唯一の場所になる。

検体は動物病院から直接カンザスに送ってもらえるにしても、その際に一緒に送付するフォームについては飼い主でないと記入できない内容もあり(最後に接種した狂犬病ワクチンの有効免疫期間や、マイクロチップの個体識別番号など)、これを事前にプリントし、記入を済ませた上で病院に持って行く必要がある。

書類を準備すると言っても、実はこのフォーム以外特に準備すべきものは無い。

検査費用の支払について

検査費用についてはカンザス州立大学狂犬病研究所のウェブサイト上で紹介されていて、今回受ける検査のタイプである FAVN-Rabies Antibody for Export (RFV-1001) の場合で、検査費84米ドル + 登録料7米ドル = 91米ドル が1回の検査に発生するとある。

この費用は、動物病院で採血してもらう前に飼い主本人が直接カンザス州立大学に支払ってもいいようだが(大学のサイト上でクレジットカードを利用しての支払が可能)、支払元と検体送付元が異なることで起こり得る混乱を防ぐ為、私は動物病院に支払を代行してもらえるようにお願いした。

動物病院で採血を済ませる

動物病院では採血さえすれば終わりであっという間*。予約を入れた時間に病院に行き、採血と書類の確認で10分もあればもう出て来られる。

*前述のとおり、我が家の長女の場合は「2回目」のワクチンを接種する必要があった為、まず狂犬病のワクチンを接種した上で採血をした。先にワクチン接種、後に採血(検体採取)の順序さえ間違えなければ、同日に済ませてしまって問題無いとのこと(農林水産省動物検疫所発行の手引書参照)。

ちなみにこの時、病院が検体採取後どのように手配すればいいのかを案内した手引きとも言えるものをカンザス州立大学がウェブサイト上に用意しており、それもプリントアウトして一緒に病院に持って行くとよりスムーズかも知れない。

今回お世話になったのは普段のかかりつけ医ではなく、アメリカはデトロイト近郊にある動物病院。国境を越えての検体の輸送で発生し得るリスク(と余計な輸送料)を避けることを一番に考え、ネット上でアメリカ側にある病院をいくつかピックアップして、その中から早くに予約を入れられた場所を選んだ。もちろんそういったことが叶うのは、今住んでいるウィンザーならではの地の利があるからであって、そうでなければかかりつけ医にお願いしていたことだろう。

結果が出るまで1ヶ月半から2か月

日本上陸前に義務付けられている待機期間である180日間は、あくまで採血日から数えての日数であり、抗体検査の結果が出るまでどれだけ待たされようとも問題は無いように思われる。

しかし、万一にも検査結果で抗体価*が日本入国の条件を満たしていないことが判明した場合、再度狂犬病ワクチンを接種しなければいけなかったり、再検査を実施しなければいけない可能性があることを考えれば、できればもう少し早く結果をもらいたいと思ってしまう。

*抗体価が 0.5IU/ml 以上でなくてはならない。

ひとまずは結果が出るまでしばらくの辛抱だ。

(更新)結果は採血日からちょうど1ヶ月後にもらうことができた。

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