冬のカナダでする最もハードな運動と言えば雪かきでしょう

カナダで冬のスポーツと言えばアイスホッケーにカーリング?それも確かにそうなんだけど・・・。

カナダで最も人気のあるスポーツと言えばアイスホッケーで、NHLの略称で呼ばれる北米プロリーグにしたって、大半のチームがアメリカ国内各都市を本拠地にしていてもその所属選手の多くはカナダ人。そして最近では日本でも人気になったカーリング競技に於いてもカナダは世界有数の強豪国だ。

1976年のモントリオールオリンピックでは、夏季五輪の歴史上唯一金メダルを獲得できなかった開催国になってしまったカナダだが、冬のスポーツともなるとやはりまあまあ強く、2010年のバンクーバーオリンピックでは金メダル獲得数トップとなってどうにか汚名返上を果たした(?)過去を持つ。

しかし、ごく普通の元日本人であるからなのか、私はアイスホッケーに対して一向に興味が湧かない。また、日本のテレビで丁寧にそのルールを説明してくれるようになる前に海外に出てしまったせいもあり、カーリングの試合を見ていても何が起きているのかまるで分からない。

だから、と言うわけではないが、そんな私が冬のカナダでする「運動」として真っ先に思い浮かべるのは雪かきだ。

確かにウィンタースポーツなんて言葉で括れるほど洒落たものではない。でも実際に経験してみたら誰しもが理解するだろう。あれは紛れも無く「運動」なのだと。

「北国」カナダとは言え、日本の豪雪地帯のように何メートルもの高さにまで雪が降り積もるようなことは無い。それなりに雪が降ったにしても、車道部分に関しては比較的すぐに除雪が入るし、それ以前に降雪を見越して塩やら砂利やらが道路に撒かれたりもする。

ところが、家の前や周りの歩道については、大抵の場合でその家が除雪の責任を負うことになる。

アパートやコンドミニアムなら管理会社がやってくれるから心配は無くても、一軒家やタウンハウスに住んでいるとそうはいかない。積雪量そのものは多くないにせよ、頻繁に降雪があったり、元々人通りの多い場所で固く踏み固められたりしていると、それをきれいにするのは本当に大変なのだ。

おまけに、家の周りの雪や氷をいつまでにきれいにしなければいけないのか、そのタイムリミットが各自治体でそれぞれに設けられていて、例えばカルガリーなら雪が止んでから24時間以内だとか、バンクーバーであれば毎朝10時前までといったように、条例で決められた時間内に済ませる必要がある。

これを怠ると罰金が科せられるし、万一誰かが滑って怪我をするような事態が発生したら尚のこと厄介で、下手すれば訴えられてしまうかも知れない。

だから、私もエドモントンでタウンハウスの賃貸物件に住んでいた時、そしてまたその近郊に購入した一軒家で暮らしていた時のいずれに於いても、雪が降る度に、寒い時であればマイナス40度にまで下がっている中、上から下まで完全防備の状態で大汗をかきつつ雪かきをする、というどこかバカバカしくもある作業に勤しまなくてはいけなかった。

もちろんそんな事には労力を無駄にしたくない人も少なくない。

それなら初めから雪かきなどせずに済む環境に自らの身を置くのが最も手っ取り早い。つまり、管理会社が全てを担ってくれるアパートやコンドミニアムに住むことを検討したり、一軒家やタウンハウス沿いの歩道まで除雪を行ってくれる自治体(モントリオールミシサガ等)を選んで住むといった具合だ(それでも歩道から玄関へと続く道まではやってくれない)。

もし住んでいるのが賃貸物件であるなら、ここオンタリオ州の場合では必ず家主が除雪の責任を負うことと州法により決められている為、初めから余計な心配をする必要が無いのはありがたいところ。その他多くの州では基本的に賃貸契約に記載された取り決めに沿うことになる(だからこそサインする前に内容を隅から隅まで読み倒すことが重要)。

自分にその責任がのしかかって来る場合、お金で解決してしまうのが最もシンプルな方法。ただこの方法に頼ろうとすると結構高くつくのも事実で、特に大都市では250~350カナダドル/月が相場。1回ごとに支払う依頼方法もあるのだが、それだと必要な時に来てもらえない状況も想定しなくてはならないだろう。

また、冬の間に一時帰国するような時にどう対処するのかも考慮しなければいけない。普段は自分でこなしていても、その時だけお隣さんにお願いしておくのか、それとも事前に業者さんに依頼しておくのか。

幸い現在住んでいる場所ではその責任を負わずに済んでいるからいいものの、もしそうでなければ、ここカナダに来てからは基本的に自分以外の誰もあまり信用していない私だから、雪の期間中に帰国するのは諦めるしかなさそうだ。

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