海外からの一時帰国はいつだってうれしいもの。でも一旦その準備に手をつけ始めると同時に煩わしさにも苛まれるもの。第三国での経由を伴う旅程ともなるとなおさらだ。
カナダからの一時帰国で今回私が経由するのはアメリカ、ドイツ、タイ、シンガポールの計4ヶ国。その内ドイツを除く3ヶ国で入国する予定がある。当然その分だけ前もって知っておかなければならないことも、そして場合によってはするべき準備も増えるということになる。
各国で異なるクレジットカード事情
普段カナダで生活していると現金を使わなくてはいけない場面はほとんど無く、ほぼ全ての支払いをクレジットカードで済ませる私の財布にはほとんど現金が入っていない(多い時でも20カナダドル程度)。毎週末に出かけるアメリカでも状況は同じだから、私は米ドルを一切持たずして国境を越えてしまう。
ただ、訪れた先の国によってはクレジットカードを使うことがそこまで当たり前ではないケースもある。例えばタイ。
スワンナプーム空港からバンコク市内ヘと移動する際に便利なエアポートレールリンク(電車)だが、国の玄関口である空港からの公共交通にも拘らず、その切符を買うのにクレジットカードが使用できないらしい。そして、折角バンコクに行くのならいろいろ試したい屋台グルメも、当然カードでの支払いには対応していないだろう。つまり多少なりとも現金を用意しなければならない。
クレジットカードの利用という点に於いては、実は日本もいつも便利であるとは言えず、たまに海外発行のカードを使えないことがあるのには注意が必要かも知れない。
eSIMがあるととても便利
今やどの国に旅するのでも重要な通信環境の整備。ネットのしがらみを取り払って自由になりたいと言うのでなければ、行く先が日本であっても、また他の国であっても、いつでもスムーズに情報収集ができる状態にしておくことで安心感を得られる。
そんな時に便利なのがeSIMで、物理的なSIMカードと違って抜き差しする必要が無いから、普段生活している国で使っているSIMカードを入れたままで済むだけでなく(つまり失くすことも無い)、特に多国対応のeSIMを購入した場合には、経由地である複数の第三国に滞在中にもメールやメッセージの送受信ができたり、次に乗る飛行機の時間に変更が無いかの確認をすることもできる。
経由地ではあくまで空港での乗り継ぎだけ、ということであれば空港のWifiを使えば事足りても、今回の私のケースではタイでも、シンガポールでも入国して用事がある為、日本を含むアジア諸国をカバーするeSIMを購入済みだ。5GB、30日間有効のもので16カナダドル(約1500円)だから決して悪くない。
入国手続のデジタル化が進んでいるのは日本だけではない
以前であれば手書きが普通だった入国カードや税関申告書なども、今では多くの国で提出そのものが不要になっていたり、或いはデジタル化が進んでいたりする。
今回私の行程に含まれる国については、陸路から入国するアメリカは必要になる書類等は無し(カナダ国籍になったのでESTAも不要)、タイは2022年7月に入国カードが廃止されたようで提出を求められる書類は無し、なのだが、シンガポールではオンラインで事前に「電子入国カード」なるものを提出するシステムへと移行しているのだそう。
このように、以前の当たり前が当たり前でなくなることも少なからずあり、それを知る為にも前もって最新情報を入手し、自分の知識を逐一アップデートしなくてはいけない必要性が特にコロナ禍以降増え続けているのを見ると、デジタル化の言葉の響きに反して、実は逆に面倒になっている部分があるのも否めない。
経由地での時間の潰し方を考える
経由地で用事があって入国する場合であっても、その用事だけであればほんの1時間や2時間もあれば済んでしまうことも。ではその他の余った時間で何をするのか?これには頭を悩ませられるかも知れない。
今回私のケースではニューヨーク、バンコク、そしてシンガポールで、それぞれ12時間、13時間、8時間半と結構な時間がある。
ニューヨークなどはちょっと探せば行きたいと思う場所がまだまだあるのに対して、バンコクやシンガポールはもう何度も訪れたことがあるだけでなく、まだ冬から春へと移り変わろうとしているカナダと違ってとにかく暑過ぎるその気候が何よりツラい。そうなるとやはり屋台飯を軽く楽しんだ後にショッピングモールにでも行くのが無難だろうか。
国によって異なる持ち込み制限のルール
持ち込みが許されているものとそうでないもの、これもまた各国で規定が異なる。食品類などは特にその違いが顕著に表れるものだが、私も今回準備をする中で気がついてよかったと思うものは別にあった。それが加熱式タバコ。
私がカナダで普段から愛用している「iQOS」という名の付いた加熱式タバコ、日本でもよく知られた存在だと思う。ところが今回の経由地であるタイとシンガポールではその持ち込みが禁止されているらしい。
経由するだけだから出発地点で航空会社に預けるスーツケースに入れてしまえば問題無いかと思いきや、加熱式タバコの本体はバッテリーを含む為に預け入れは不可になっている。つまり、機内へと持ち込むバッグなどに入れておく他無く、経由地の第三国に入国する際にもそのバッグは手元にあるはずだから、タイやシンガポールに行くなら初めから持って行けないということになる訳だ。
荷物を預けられる場所が無いと大変
荷物に関してもう一点知っておきたいのが、必要時にスーツケースのような大きなものを預ける場所があるのかどうかについて。
例えば、一口にニューヨークで乗り継ぎと言っても、ニューアークに到着してJFKから次の便に乗らなければいけないようなケースもある。また、スケジュールや値段の関係上、航空券を最終目的地まで通しで買わずに、所謂「別切り」の形で購入した場合では、預けた荷物も途中で一旦ピックアップしなくてはいけないかも知れない。
ニューアーク > JFK乗継はまさに今回私が予定しているもので、前述のとおりその間12時間。それだけあれば空港間の移動に要する分を除いても相当時間が余る為、一旦市内に出て自然史博物館にでも行こうかと計画している。そこで利用するのが Bounce。これさえあればスマートに博物館巡りも街歩きも楽しむことができる。
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経由地でお土産を買うのもあり
これはカナダに限ったことかも知れないのだが、正直この国には日本にお土産として持って帰りたいと思えるものが少なく、毎回一時帰国する際に頭が痛くなる。
ただ改めて考えてみれば、カナダらしさとは何かを理解しているような人も少なければ、カナダらしさに期待している人も少ないのなら、実はお土産などどこで買ったものでもいいような気もする。それなら経由地のどこかで、より実用的なものであったり、もしくは美味しくてすぐに食べ終われるようなものを購入するのもありなのではないか。
と言うことで、今回の一時帰国で私がお土産を購入しようと考えている場所はニューヨーク。ニューヨークならスーパーで買えるバラマキ用のお菓子から、博物館や図書館のギフトショップにあるちょっとしゃれた一品まで選択肢は豊富にあるからちょうどいいのだ。
日本への出発前にはシャワーを浴びてきれいになっておきたい
経由便を使うことで発生する日本への所要時間は直行便でのそれと比較して長くなる。特に今回の私のケースでは経由地での入国も含む為、カナダの自宅を出発してから成田到着までには2日半近くかかることになる。
バックパッカーでもあるまいし、その間一度もシャワーを浴びずに日本に上陸するなど私にはとても耐えられない。暑い暑いバンコクで半日も滞在した後であればなおさらだ。
そんな時に活用したいのがシャワーが設置された空港内のラウンジや、ラウンジが利用できない場合には空港内もしくは近隣のホテルにあるジム、または俗に言うスーパー銭湯のような温浴施設。日本へ飛ぶ飛行機ともなれば、どの国の航空会社を利用しても多くの日本人乗客が醸し出す独特の雰囲気が機内に溢れている。そんな中白い目で見られたくなければ出発前にきれいになっておくのが上策というもの。
Visit Japan Web なる忌々しき存在
前述のシンガポールの例と同様、現在日本への渡航に際しても Visit Japan Web を利用しての事前登録が求められている。
本来空路からの入国であれば登録は必須ではないものの、登録を済ませていなかった為に出発地で搭乗拒否に遭う人も居るようで(つまり海外に対して周知が徹底されていない)、やはり登録しておくに越したことは無い。
実際のところ登録自体はそれほど面倒でもない。パスポートとワクチン接種証明さえ手元に用意しておけば、あとは画面上で求められるままに内容を記入するだけだから、帰国前に忘れずに登録しておきたい。