便利な手荷物一時預かりサービスを利用して身軽に街歩きを楽しむ

9.11のテロ事件以来、アメリカの空港や駅で手荷物の一時預かりサービスを提供している場所はまず見かけなくなった。しかし時は変わって2022年、荷物を預けたい人と、荷物を預かるサイドビジネスでお金儲けをしたい店舗の間で、マッチングアプリさながらのサービスを提供してくれるプラットフォームがある。

旅の最中にあると結構便利なのが手荷物を預かってもらうサービス。目的地への到着当日や帰国日、中途半端に時間があるのにホテルに荷物を預けておくと時間的な無駄が出てしまい、できることならばもっと近い場所で手軽に預けられたら、と感じることはよくある。

ところがアメリカでは、あの 9.11 以降、駅や空港でそのようなサービスを提供する場所をめっきり見かけなくなってしまった。乗り継ぎの長い待ち時間を利用して町へと繰り出したくても、大きなスーツケースをゴロゴロと転がしながら歩き回るのはやはり億劫だし、結局は空港で時間を潰すしか無くなった、なんてことを私もいつだったかロサンゼルスで経験した。

woman in white top and denim jeans sitting on red luggage bag

しかし時は変わって2022年、もうそんなことで悩む必要は無くなった。荷物を預けたい人と、荷物を預かるサイドビジネスでお金儲けをしたい店舗の間で、マッチングアプリさながらのサービスを提供してくれるプラットフォームがあるからだ。

中でも、先日訪れたシカゴで私が利用したのは Bounce というサービス。

サービスを提供する側はあくまでもサイドビジネスとして荷物を預かっているのだから、本業が何であってもよく、必要なのは預かった荷物を保管する場所だけ。だからレストランやバーであったり、雑貨屋さんだったりすることもあるかも知れない。

それだけ手軽に始められるとあって、シカゴの至るところにサービスを提供するお店が見つかる。これは私達のような観光客にとっても好都合で、その日のスケジュールに合わせて、より便利な場所に荷物を持って行って預ければいい。ちなみに、今回私がスーツケースを預かってもらったのは、シカゴ美術館から歩いてすぐのところにある額縁の専門店だった。

使い方は至って簡単。ホームページ、またはアプリで最適のロケーションを見つけ、預ける荷物の個数を指定した上で、クレジットカードや Apple Pay で支払いを済ませるだけ。料金は1時間単位ではなく、1日単位のフラットレート(5.9米ドル)だから急にスケジュールの変更があっても困らないし、原則として1人で扱える荷物であればその大きさを問われることだって無い(詳細はホームページで確認可)。

Bounce は世界各地の1000を超える都市に展開しており、特にアメリカではシカゴのような大都市はもちろん、比較的小さめの町に至るまで、同じサービスを、手軽に受けることが可能だ。なお、カナダについては現時点(2023年3月現在)で19都市に展開しているそうで、バンクーバー、トロント、モントリオール、ナイアガラフォールズ、バンフといった観光地が含まれている。

photo of woman sitting on brown suitcase in front of a building

Uber だったり、Airbnb であったりと、それまでに既存のサービスを提供していた側としては困ってしまう時代になったものの、逆にサービスを受ける側からすれば選択肢が大きく広がって、より便利に、且つ安価に、本当に必要なものだけを求められるのは有難いこと。

でもまさかこうして荷物を預かってくれるサービスまで出て来るのは驚きだし、それを旅先でギリギリになってもお願いできるようになったのはやはりスマートフォンの普及があってこそ。旅のスタイルはこれからまたどのように変わって行くのだろう、と想像を巡らせずにはいられない。

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