カナダ西部に熱波到来 愛犬を暑さから守れ

暑い!

アメリカ北西部とカナダ西部を熱波が襲っているのは遠い日本ですらニュースになっているようだが、それも当然と言える程にこの地としては信じがたいような暑さに見舞われる日々が続いている。

私の住む町では、去年(2020年)6月全体を見ても日中の最高気温が25度を超えた日は僅か2日。それが今年6月は13日と、1ヶ月の半分近い日で大台を超え、特にここ最近は連日35度以上。

「それぐらいで大袈裟な」と言われてしまいそうだが、この町で25度を超えるというのは1年を通して見てもそう多くなく、去年の場合26日しか無かった(一昨年に至ってはたったの14日だ)。つまり今年は6月だけでその半分に達してしまったのだから騒ぎたくもなるのだ。

お隣りブリティッシュ・コロンビア州は更にその上を行く50度近い気温を記録しているというから、ここはまだよっぽどマシではあると言え、それでも慣れない高温に、基本的にクーラー無しの住環境でつらい事には変わり無い。人でさえつらいのだから、体全体に毛をまとった犬にすればとんでもない暑さに感じるだろう。

犬も泊まれるホテルを予約する?

ニュースによれば、ここ数日バンクーバーでは多くのホテルが予約で埋まっているそうで、その理由がまさに今回の熱波。当地アルバータ州同様、エアコンが設置されていない家が多く、暑さに慣れていない人達には耐え難いと見え、ホテルの涼しい部屋で乗り切ろうとする人が続出したようだ。

もちろんそれだけの余裕があればいいのだけれど、私にはなかなかそこまでの経済力も行動力も無く、何より犬同伴で泊まれるホテルだってそうあちこちにある訳でもない。それにこのコロナ禍にあって、幾ら私が既に2度のワクチン接種を済ませていようと、人が多く集まるホテルに泊まるのにはやはり不安がある。

それならテントでも用意してキャンプにでも行こうかと思ったところで、私の住む町よりはずっと涼しいのかと思っていたジャスパーやバンフ近辺も、実はここ以上に気温が高い事が分かり、どうやら逃げ道は残されていないようだと降参する他無かった。

凍らせたペットボトル+扇風機で冷却効果

ネット上で「犬 暑さ対策 クーラー無し」などと検索してみたら出て来たのがこのアイデア。ペットボトルの水を凍らせて、それにタオルを巻き付けた上でそばに置いてあげたり、扇風機の前に置く事で冷たい風を作ってあげるという事らしい。気化熱云々と、確かな科学の原理が働くとは言うが、実際のところ効果があるのか、試してはみたけれど私にはよく分からないままだ。

他に何かしらのグッズに頼る事も考え、ジェルの入った冷却マットであったり、アルミ製のすのこ等といったものが存在するのを知ったものの、マットは噛んでしまうとジェルが出て来て健康上問題があるし、アルミのすのこのような代物はどう探しても見つからない。アマゾンで検索をかけたところで、正直カナダのアマゾンは出品数も日本やアメリカ程多くはないし、胡散臭いものも結構多く出品されていて、お世辞にも使い勝手がいいとは言えない。

結局のところ、冷凍庫に沢山の氷を作って、2、3時間おきに食べさせてやるぐらいの事しかできなかった。この時に注意したのは、氷をまず水に浸した上で与えた事。そのままあげてしまうと口の中で氷がくっついてしまって食べ心地がよろしくないし、下手すればやけどしてしまいそうだから。

散歩の時間を調整する

ここまで暑くなると散歩に出かける時間を調整する必要も出て来る。単に暑いからという理由だけではなく、太陽の光を浴び続けた地面も熱くなるからだ。5秒ルールだか、何秒ルールだか知らないが、自分の手のひらを一定時間当ててみて特に問題が無いのであれば、犬が歩いても大丈夫という事らしい。

当然ながら、これだけ暑い日にずっと地面を触り続けていれば、どれだけ皮が厚かろうと耐えられるはずも無い。それに犬が地面に触れる足の裏、つまり肉球部分は、彼等にとってほぼ唯一の発汗機能を有する場所であったりするらしいからなおさら大事にしてあげなければいけない。

幸いこの地の気候の特徴は1日の温度差が大きく、日中どれだけ暑くなろうとも朝晩は基本的に涼しいところにある。だから朝の散歩は少し早めに出かけさえすれば犬も人も暑さの影響を受けずに済む。ただ、もう1つ忘れてはいけない特徴があって、それはこの時期日がなかなか沈まないという点。午後に1日の最高気温に達した後、夜8時過ぎまで同じ気温を維持するものだから、夕方の散歩もそれまで待たずには出かけられないのだ。

結果として食事の時間も調整しなければならず(特に大型犬は胃捻転を防ぐ為にも食事と散歩の間隔を適切に空ける事が必要)、これには結構頭を悩ませられる。

エアコンの設置を本格的に検討する?

いろいろ考え、調べ、実行に移してはみても、結局のところそのいずれもが付け焼き刃に過ぎず、犬達にはつらい事に変わり無いだろう。

今回の熱波では「ヒートドーム」などというまた新しい言葉を聞く事になったが、カナダに来て5年にして初めて聞いた言葉だし、実際観測史上の最高気温を記録したとも言っているのだから、今年も来年も、再来年もそのまた次の年も、もうこんな暑さに見舞われない事を願う。それでももし、またこんな暑さを経験するような事があれば、その時こそ真剣にエアコンの設置を考えなければいけないのかもと思っている。