カナダで股関節形成不全の診断を受けた犬のその後

次女が股関節形成不全であると診断され、手術を要すると宣告されてから早半年以上が過ぎ、その間に我が家はアルバータ州エドモントンからオンタリオ州ウィンザーへと引越した。

当初既に引越を予定していたこと、そして引越の際の長距離移動が次女にとって負担になりかねないことから、世話になっていた獣医にも手術は引越を済ませた後にするよう勧められた結果、実際に近隣の病院と連絡を取り始めたのはもう冬に入った頃だった。

これまでの過程:

close up photo of sleeping dog

病院選び

手術を受ける、と簡単に言っても、実際にはどこでも受けられるような手術ではないことを、エドモントンの獣医から聞いて理解していた。だからこそ前もって病院探しもしたし、候補となる病院のウェブサイトを穴が開くほど見てもいた。その結果、コンタクトを取った病院は全部で5ヶ所(下記はオンタリオ州ウィンザーからの距離順)。

このうち1ヶ所はファーストインプレッションが悪く、2ヶ所は何ヶ月も先まで予約が埋まっていて、それ以上先の予約については受け付けていないと言われ、もう1ヶ所は対応こそすばらしかったものの費用がビックリするほど高かった。

black short coated dog lying on brown sand

オハイオ州立大学動物病院を選んだ理由

そうして最後に選んだのが The Ohio State University Veterinary Medical Center、つまりオハイオ州立大学の附属動物病院だった。愛する我が子の為だから、当然ながら消去法で選んだのではなく、この病院であれば安心して任せられると考えた結果だ。

まず病院のホームページに股関節形成不全とその治療(特に我が家の次女が必要とする股関節全置換術)についてまとめられたページがあって、病院のこの病気に対するスタンスみたいなものが理解できたことで安心感を得られたは大きい。そしてネット上に於ける評判も良好で、中には我が家と同じくカナダオンタリオ州在住の人が、そのかかりつけ医にこの病院を勧められたという話まで見つかったものだから尚のこと安心できた。

ウィンザーからは車で片道3時間程度の距離であったのもよかった。どの病院でも行くだけならよくても、術後間も無い次女を車に乗せて帰って来ることを考えると、やはりできる限り近距離の移動で、体への負担が小さくて済む場所に越したことは無いからだ。

診察当日、そして診断結果

元のかかりつけ医と専門医が準備してくれた病状の詳細を提出済みではあるものの、最終的な治療方針は執刀医による検査と診断を経て決定される。

当日は午前10時に予約が入っており、次女を預けた後は、採血、触診、麻酔を投与してのレントゲン撮影など一連の過程があったらしい。午後4時に迎えに来るよう言われ、それまでは昼食を摂ったり、長女を連れてハイキングトレイルを歩いたりして時間を潰した。

病院のウェブサイトにもあるのだが、基本的には検査翌日に執刀できるようスケジュールが組まれていて、当然私達もそのつもりで宿の手配も済ませていた。ところが午後改めて次女を迎えに行くと、幸いにも現時点で手術の必要は無いとの診断結果を伝えられたのだ。

a doctor checking the dog

なぜ、少なくともこの時点での手術が必要無いと判断されたのかと言えば、初めて股関節形成不全を患っていると診断された当時はまだ成犬と呼べる時期ではなく、その後も骨格が成長を続けた結果、当初と比較して状態に大きな改善が見られた為だった。

確かにあの頃は、私が見ていてもおかしいと感じて病院に連れて行ったぐらいなのに、最近は散歩の途中で立ち止まってしまうことも無ければ、走ったり、階段の上り降りといったことも難なくこなしている。だからと言って股関節形成不全の症状が消え去った訳ではなく、今後半年程様子を見て、もし必要であれば改めて手術を行えばいいらしい。

こちらの病院での担当医は、イギリス・ケンブリッジ大卒の、股関節全置換術のスペシャリスト。整形外科の専門医はどこにでも居ても、特に股関節形成不全の治療に長じた医師となると、アメリカと言えどもそう簡単に見つかるものではない。その上対応もよく、とても丁寧に説明をしてくれたから、こちらとしても全幅の信頼を寄せるに値する医師だと判断できた。

vet vaccinating adult tan pit bull terrier

オハイオ州立大学動物病院で股関節全置換術を受けた場合の費用と入院期間

手術が必要となればどうしても気になるのがその費用。

2017年時点での平均値ではあるものの、病院のウェブサイトによれば、手術にかかる費用は5600〜6000米ドルで、ここにはレントゲン、血液検査、入院費なども含まれるとのこと。これは前述の私自身が今回コンタクトを取った病院の中で、費用が高くて驚いた1ヶ所と比較すると半額程度だ。

入院の期間については、術後の経過によってまちまちだがおよそ3日から5日程で済むらしく、その後の2ヶ月は走ったり、跳ねたりといった患部に負担となる動きを避け、全てが順調であった場合は、3ヶ月目から通常通りの生活に戻っていいのだそうだ。

dogs running on the field under blue sky

医師に勧められたサプリの服用

手術こそ免れたものの、股関節に問題を抱えていることには変わり無く、更なる状況の改善に寄与するサプリを摂取するよう勧められた。お金儲けの為に処方箋を乱発するのと違い、ペットショップでも簡単に入手できるサプリを勧められただけだから、私がするべきはそのサプリについての口コミをチェックするぐらいのことで、どうやら評判も良好であったことから、早速一袋購入し、次女に与え始めた。

勧められたサプリはこちら:
COSEQUIN® Maximum Strength with MSM Plus Omega-3’s Soft Chew

最近ではもう股関節の不調をまるで感じさせない程に自由に動き回っていたから、サプリを与えるようになって3週間が経過した現在までに特に変化があるようには見えないながら、継続して与えることでいい影響をもたらしてくれることを願っている。