つい最近カナダ国籍を取れたばかりの私にも早速投票の機会が巡って来る。来月24日、新しい市長と市議会議員、そして教育委員会の委員を選出する選挙が行われるらしい。
投票には事前の有権者登録が必要
カナダでは戸籍制度が存在せず、また日本の住民票に相当するものも無いからなのか、市民権を取得しても自動的に有権者リストに名前が記載される訳ではなく、自分で登録申請を出さなければいけない。
登録はオンラインでも可能となっているものの(在住の地方自治体によって異なるケースがあるかも知れない)、連邦、州、市町村単位で別々に登録が必要となっていて、同じようなプロセスを3回繰り返してようやく終了する。だから私の場合では、
でそれぞれ登録を済ませたことになる。
現時点ではまだ市民権証書が届いておらず、パスポートの申請すらできていない私にとって、これこそがまさに「カナダ人」として初めてこなしたイベントであり、面倒と感じるより先に新鮮さを覚えた。
市長及び市議会議員の選挙は州全体で当時に実施される
市長と市議会議員、そして教育委員会委員の任期は4年だそうで、当地オンタリオ州の場合では来月、つまり2022年10月24日に州内各都市で同時に選挙が実施される。
4年に1度という、オリンピックと同じでそうそう巡って来ないはずのイベントなのに、市民権を取得した1ヶ月後に行われると言うのだから私も相当運がいい。これがもし国内他州であれば去年に実施されたばかりのところもあり、それでは次の選挙まで3年は待たなければならなかった。
ちなみに、オンタリオ州の州議会議員を選出する選挙は今年の6月に、連邦議会についても去年の9月に総選挙が実施されたばかりで、いずれも議会が解散でもされない限り当分投票の機会は無いだろう。
街頭演説は無いからネット上で各候補者の公約や政策を探してみる
日本なら選挙前の時期には街宣車が行き交ったり、都市部の駅前で街頭演説があったりするところ、カナダではそういったことが禁止されているのか、それともただ流行らないだけなのかは分からないのだが、私はこの国に住んで6年半、そんな場面に遭遇した経験は無い。
この国で投票する機会に恵まれることになったのはいいけれど、どんな候補者が居て、彼等がどのような政策を掲げているのか?それはどこで知ればいいのだろう?カナダ人になったからこそ初めて生まれたとてもフレッシュな悩みだ。
そんな私の悩みの答えはやはりネット上にあった。こんなご時世だから当たり前と言えば当たり前なのかも知れない。ところが、たかだか地方都市の市議会レベルの話だからなのか、候補者によってはウェブサイトすら開設していないようで、私もニュースサイトの報道などもあわせて見ながら勉強を始めたばかりだ。
初めての選挙を楽しみにしている
たかが一票、それでも社会に影響を与える一票。わずかながらでも影響力を持った以上、それを自分にでき得る最高の形で行使しなければならないと決意を強くするのには、これまで「持たざる者」であったからこその思いがある。
カナダへの移住後に過ごした6年半を含め、とうに人生の半分以上にもなる時間を海外で生活しながら、それでも悩みに悩んでようやく他国で市民権を取得すると決めた理由の一つとしてあったのが選挙への参加。投票の機会を得られることに対しては責任の重さを感じると同時に、私は今その日が来るのをとても楽しみにしている。