3日間JRに乗り放題のTokyo Wide Passでお得に関東を旅する

日本人が知らないお得な「パス」を利用して安く日本を旅する。

外国人だけが購入を許される割引切符。実は日本にはそんな切符が多く存在している。Tokyo Wide Pass はあくまでもそのうちの一つに過ぎない。

ジャパンレールパスだけじゃないJRのお得な切符

外国人観光客がお得に日本国内を旅行できる切符として有名なのがジャパンレールパス。海外での在住期間が10年を超える日本人にも購入資格がある為に比較的知名度のある切符なのだが、外国人だけに対象を絞った割引切符なら実はジャパンレールパス以外にもまだまだ沢山ある。

関東で使うならお得なTokyo Wide Pass

Tokyo Wide Pass ー 連続する3日間、関東圏内のJRが乗り放題になり、特急列車や新幹線も利用できてしまうというスグレモノ(一部路線を除く)。利用資格があるのは外国のパスポートを所持する者だけで、短期滞在の外国人観光客はもちろん、日本に在住する外国人であっても購入可能とのこと。

何よりうれしいのが3日間乗り放題で10180円(2023年10月1日発売分より15000円に改定、6歳以上12歳未満の子供は半額)という価格。ジャパンレールパスと違ってどの購入ルートでも同価格で分かりやすい。加えて、日本在住の外国人でも購入資格があることもあり、日本国内外のいずれでも(つまり海外在住者は日本への出発前でも到着後でも)購入可能なのはとても親切だ。

Tokyo Wide Passの使用可能範囲

このTokyo Wide Pass、3日間も使えてわずか1万円と破格の安さにもかかわらず、関東一円という広範囲をカバーしてくれるだけでなく、更には新幹線(東海道新幹線及び東北・秋田新幹線のはやぶさ号とこまち号を除く)や特急列車まで利用できてしまうと言うのだからうれしい。

特急列車に乗車する場合、このパスがあれば自由席だけでなく指定席も利用できる為、「あずさ」や「踊り子」、「ひたち」に「成田エクスプレス」等、全席指定の列車であっても当然乗車が可能になるのもポイント(座席の指定を受けずに乗車する場合には空席を利用可)。

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Tokyo Wide Passの有効利用具体例

料金が高い区間をより長距離に渡って乗れば乗るだけお得感がアップするパスだからこそ、特に時間に限りのある訪日観光客の場合は、軽井沢や河口湖、そして伊豆(スキーシーズンであれば湯沢なども)へと3日連続で東京から往復して遊び倒したいと思う人も多いのかも知れない。

ところが必ずしもそこまで張り切らずとも、元を取るということだけを考えるならば、実は東京駅から軽井沢駅の間を北陸新幹線の自由席で往復しただけでも事足りてしまう。それだけでも少なくとも損をすることは無いのだから、旅全体のスケジュールや、体力等の点から総合的に判断した上でどこまで欲張るのかを決めてもいい。繁忙期でもない限り、前日や当日でも指定席を確保できるチャンスは充分にあるし、万一確保できなくてもこのパスがあれば当然自由席が使えるから、全席指定の電車でない限りは乗りっぱぐれるような心配も無用だ。

ここからはあくまで私自身の個人的なケースになるが、近くに予定している日本への一時帰国の際、成田空港から山梨にある実家に帰るのに、「成田エクスプレス」と新宿から乗り継ぐ「あずさ」で普通に切符を購入すれば片道でも8千円近くかかる。つまり、他に料金が2千円程度になる距離を移動すれば最低限元は取れることになる。

そこで帰国2日目に計画しているのが東京で受ける人間ドック。山梨から東京までは特急を使えば片道だけで既に2千円以上になる。この時点で既に元は取れているのだが、とことん強欲な私はそれだけではもったいないと、人間ドックを受けたその足で宇都宮に行って餃子のお店をハシゴして、そうしてお腹を満たしたら今度は大宮経由で東北新幹線と北陸新幹線を乗り継いで佐久平まで移動し、最後に小海線で田舎の景色(時間帯によってはただの真っ暗闇)を堪能しつつ山梨に戻ろうかと思っている。そしてその翌日の帰国3日目にも横浜に行く予定を立てている。

以上の行程でそれぞれ別々に切符を購入すると総額は35000円程。今や外国人となった私はこのパスを使えばたったの10180円(2023年10月1日発売分より15000円に改定)で済んでしまうのだから、本当にいいのかと逆に申し訳無い気持ちにもなってしまう。

ジャパンレールパスとの比較

日本への旅が一生に一度きりのものであるならば、全国をくまなく周るというのもあるかも知れないが、何度も旅する機会がある人であったり、それこそ私自身のように元日本国籍者で頻繁に日本を訪れるのであれば、限られた時間の中であちこち動き回るような理由も無いのかと思う。

そのような場合、下手に全国をカバーしてしまうジャパンレールパスを購入してしまったが為に、どうにかして元を取らんとばかりにスケジュールがタイトになり過ぎ、ただ疲れ果てて日本を離れることになるのもまた残念。その点、Tokyo Wide Passなら3日間という短い有効期間(対してジャパンレールパスは最低でも7日間の有効期間がある)だからこそ、どれだけ詰め込もうにもその3日間の範囲内で済み、残りの滞在期間はリラックスして楽しめるというメリットがある。

また、ジャパンレールパスでより遠くへの移動を考えた時、例えば東京から北海道や九州等、新幹線を利用しても一定の所要時間が発生するのであれば、これまた外国人観光客を対象に片道1万円前後で販売されている航空券を購入した方が、時間をもっと有効に使えるような気がしないでもない。もし必要ならば、到着した先でまた地域限定のパスでも別途購入するなり、或いはレンタカーを借りるなどすればいいのだから。

関連記事:『訪日外国人観光客向けのお得な切符を利用して成田空港から東京の更にその先まで移動する』

 

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