北米からの一時帰国は出発地点に融通を利かせて安くあげる

航空券をできる限り安く買いたいのであれば、スケジュールの設定や航空会社の選択においてある程度の融通を利かせるのはもちろんのこと、実は出発地点を近隣の別空港にすることで得られるメリットにも注目するといいかも知れない。

コロナ禍以来高止まりが続く航空券の価格。一時期に比べれば少しはマシになった気がしないでもないが、それでもコロナ禍以前と比較するとまだまだ高く、特に年末年始の移動ともなると画面に表示される価格には目を覆いたくなるばかりだ。

私が住むカナダ・オンタリオ州の南西部に位置するウィンザーから一時帰国する場合、対岸のアメリカ・デトロイトからデルタ航空の羽田直行便を利用するのが最も便利で、次の選択肢に上がるのがウィンザー空港からエアカナダ利用でトロントを経由し羽田へ向かう方法。

ところが私自身もこれまで少なからず対峙して来ているのは、これらのルートで帰国したくても航空券が高過ぎて手が届かないという悲しい現実であり、電車を利用したり、或いは別切りの航空券を別途購入し、シカゴやニューヨークまで移動した上でそこから日本へと飛ぶことを繰り返している。

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そして今回。年末年始での帰国を計画し、航空券の手配をしようかと思ったところ、デトロイトやトロントはおろか、シカゴやニューヨーク発の価格ですら手が届かないようなものばかりであったのに私は愕然とさせられた。

帰国そのものを諦めようかと考えながらも、試しに出発地点を別の空港にしてもう一度調べ直すことに。

そうして見つけたのがクリーブランド発の航空券。これが想像以上に安かった。それまで血眼になって見ていたデトロイト、トロント、シカゴ、ニューヨーク発のいずれと比べて少なくとも800カナダドル(現行のレートで約88000円)以上安い値段が出て来たのだ。

デトロイトは確かに近くて便利だし、トロントやシカゴは大きな空港だから便数も多い。普通ならそういった空港ばかりに目が行くもの。

ところがここは北米。特にアメリカには空港が至るところにあるのだ。エリー湖を挟んで向こう側にあるクリーブランドだって、ウィンザーからであれば実は車で2時間半程の距離に過ぎない。

もちろんクリーブランドから日本への直行便などある訳も無く、当然乗り継ぎが必要になって来るとは言え、カナダに移住して8年目を迎える私がこれまでに直行便で帰国できた試しなど無い(トロントやバンクーバーに住んでいたなら話は別)。

クリーブランドへの移動に別途時間と費用が発生するのは事実でも、私の場合、時間についてはそれなりに融通が利くし、費用にしても、バス代と前泊のホテル代を合わせたところで、クリーブランド発にすることで生まれた差額を埋め尽くすには到底至らない。

ちなみに今回のルート、往路については乗り継ぎは一度で済み、クリーブランドからニューアーク経由で成田まで(全行程でユナイテッド航空利用)。経由地での乗継時間もわずか1時間40分とかなり理想的。

そして復路。これまた羽田ではなく成田からなのが残念ではあるものの、あの「フライングホヌ」の愛称を冠した全日空のA380でまずホノルルに向かい、そこからはユナイテッド航空で更にロサンゼルスを経由してクリーブランドへ。

実は今回の旅程の目玉となるのがこの復路。ホノルルでの乗り継ぎに14時間40分もあるのだ。それも夜を跨ぐようなものではなく、朝の9時20分に到着し、出発は23時59分と、私としては初めてとなるハワイでまる1日過ごせてしまう。

ハワイで下手に散財しては折角航空券を安くあげた意味が無くなるから、もちろんカードの利用は計画的にしなければいけないし、この点を踏まえて計画も立てないといけないのだが、天気さえ良ければ海辺を散歩するだけでも充分楽しめるだろうと期待している(ただ1月のハワイは雨季にあたるらしい)。

そうして体を疲れさせることができたら、そこから先の飛行機移動でもきっとぐっすり休めるはず。幸いロサンゼルスでの乗り継ぎも2時間弱と短くて済むのはありがたい。

折角の休暇で折角の一時帰国だから、例え1時間でも長く日本に居たいと思う人なら全く考慮に入れる余地が無くても、私のように日本はもちろん、移動の間も楽しみたい人にはうってつけのルートではないだろうか。これで且つ安上がりなのだから言うこと無しだ。

無論、いつもクリーブランド発で手配することがベストな選択と言うのではなく、より近いデトロイトからの直行便が安く設定されているようなケースもあり、その時その時でよく調べて航空券を購入する必要がある。

少なくとも今回は、このようなルートの航空券を入手できたことにより、何年か振りに日本で過ごすお正月以外にハワイというおまけまで付いて来て、ここ数年は長時間の移動を億劫に感じていたのとは違い、今から年末がやって来るのが楽しみで仕方無い私だ。

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