注:後にオミクロン株の流行による感染拡大を受けて状況に変化がありました。ここに記述のある内容は最新の状況を反映していません。(2022年2月3日追記)
カナダとアメリカ間の陸路国境が開放されても、カナダへの入国には72時間以内に受けたPCR検査で陰性であることが必須条件となっているのに対して人々が不満たらたら、という話はつい先日したばかり。
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そんな世論に耐え切れなくなったのか、結局カナダ政府はその方針を改め、入国前PCR検査を条件付きで免除する決定を下した。対象となるのは、
- 2度のワクチン接種を終えている
- カナダ国籍者、カナダの永住権保持者、カナダ在住のインディアン法適用対象者で
- カナダを出国後、72時間以内に再入国する場合(飛行機を利用しての往復のケースでは、最初にカナダを出発するフライトの出発予定時刻から、カナダに戻るフライトの出発予定時刻までが72時間以内であること)
だそうだ(2021年11月30日より)。
つまりこの時点では外国人旅行者はもちろん、長期就労ビザや学生ビザを持ってカナダに滞在している人ですら対象にはならない。また、カナダ在住者のアメリカ入国には既に検査が免除されている(陸路経由での入国時に限る)のに対し、アメリカ在住者は検査を受けずしてはカナダに入国できないことについて、いずれまた不満を訴える人が出て来るのも容易に想像できる。
だからどこか申し訳無いと思う気持ちもありつつ、自分が今回の規制緩和の対象範囲に含まれたのは素直に喜びたい。何故なら来週末に控える引越、その引越先の目の前にあるのがアメリカなのだ。家から歩いてもわずか5分のところにある川が国境線で、イベント時に上がる花火は両岸の市民が一緒になって楽しむ。そのような場所に住む以上、当然私自身の生活だってアメリカとは切っても切り離せなくなるだろう。
何しろ対岸に渡れば食料品の品揃えがより豊富なのは疑う余地も無いし、ガソリンの価格だってはるかに安い。ディズニーランドばりに魅力的だ。ただ、そんな夢の国への入場券とばかりに、毎回200ドルもの大金を払って検査を受けなくてはいけないのではさすがにつらい(検査を求めていたのはアメリカではなくカナダなのだが)。それが免除になった今、私もようやく彼の地を夢に見るようになった。
夢の国へ 夢の国へ
行ってみたいと思いませんか
そりゃあ
うふっふ〜
でしょ。
実のところ、買い物やら給油やらといった事以上に私にPCR検査免除のメリットを感じさせてくれるのが、我が家の次女を動物病院に連れて行く時だろう。
腎臓摘出の手術は幸いにして先日当地で済ませることができたものの、更に大きな股関節の手術がまだ残っていて、それをアメリカの動物病院でお願いする予定だからだ。おまけに昨日は奥歯を1本欠けさせてしまい、運悪く中の歯髄まで傷つけたようで、今日かかりつけのお医者さんに診てもらったところ、感染症を防ぐ為には根幹治療を行うか、抜歯する必要があると言われてしまった(これもまた全身麻酔が必要になる手術)。
国境の町に住むというのは、これらの治療や手術をお願いする病院を選ぶ時にも、アメリカが決して「わざわざ」向かう場所ではなく、ごく当たり前に選択肢に含まれて来るということでもある。病院がより多く、費用だって安く済むのなら、目と鼻の先にある「外国」に行かない理由は見当たらない。
ちなみに股関節の手術に関しては、オハイオ州のコロンバスにあるオハイオ州立大学附属の動物病院でお願いしようかと思っている。車で3時間ちょっとの距離だから遠くはないし、カナダ国内にもこの手術が受けられ、且つ同等の所要時間で行くことのできる病院は1ヶ所あるものの(ゲルフ大学に附設された動物病院)、そこは費用が相当高いという専らの評判だ。
随分と話が逸れてしまったようにも思うが、この手術をアメリカで受ける場合、術前診察に始まり、手術当日、そして退院に至るまで、恐らくはカナダとアメリカの間を3往復はしなくてはいけないはずで、今回の決定によりPCR検査の免除対象者となったのは実際とても助かる。そうして出かけたついでには、カナダで購入するよりずっと安いアメリカのチーズや卵でもゲットして帰って来ようかと思っている。