カナダに於ける犬の予防接種事情

少なくとも狂犬病ワクチンの接種については、地方自治体から通知が来る仕組みになっている日本とは違い、ここカナダでは、どういったワクチンを受けるべきなのかを調べた上で、自分でスケジュール管理をしなければならない。

狂犬病予防接種が国単位で義務化されていないカナダ

犬の予防接種と言って、まず先に思い出されるのが狂犬病 (rabies) ワクチン。

日本であれば、居住地の地方自治体で犬の登録を済ませて鑑札の交付を受けると、その時期(通常は「狂犬病予防注射月間」などと称される毎年4月1日から6月30日)が来た時にワクチンを受けるよう通知が届くし、中にはご丁寧に集団接種会場を設けるような市町村もある。

ではカナダは?

少なくともこれまでに私が住んだことのあるカナダの地方自治体で、狂犬病のワクチン接種について通知して来るようなところは皆無だった。

ちなみに狂犬病発症後の致死率はほぼ100%で、カナダは狂犬病の清浄国ではない。

参考記事:Rabies cased in Canada – Government of Canada

それにもかかわらず、犬の登録をする際に狂犬病ワクチンの接種証明を求められることすら無かった。

また、狂犬病ワクチン接種の義務化も国全体に及んでいる訳ではなく、ここオンタリオ州の場合、その大半地域で義務化されているのに対し、ブリティッシュコロンビア州に於いては、州単位でそのような法律を設けることはしていないのだそうだ。

予防接種のスケジュール管理は飼い主自身で行う

狂犬病ワクチンですら完全には義務化されていないカナダだから、どのワクチンを、いつ接種すればいいのかについては、必然的に飼い主がより責任を持って知識を身につけることを求められる。

ワクチン接種スケジュール(幼犬期)

生後6週間〜8週間
ー 混合ワクチン* 1回目

生後10週間〜12週間
ー 混合ワクチン 2回目

生後14週間〜16週間
ー 混合ワクチン 3回目
ー 狂犬病
ー レプトスピラ (Leptospirosis)
ー ボルデテラ (Bordetella)
ー ライム病 (Lyme disease)

*混合ワクチン
我が家の犬が接种したのは DA2PP と呼ばれるジステンパー (distemper)、伝染性肝炎 (adenovirus type 1)、アデノウイルス2型 (adenovirus type 2)、パルボウイルス (parvovirus)、パラインフルエンザ (parainfluenza) の感染を予防する混合ワクチン。DHPP とも呼ばれる。

ワクチン接種スケジュール(成犬期)

生後12ヶ月〜16ヶ月
ー 混合ワクチン
ー 狂犬病
ー レプトスピラ
ー ボルデテラ
ー ライム病

以降、ワクチンにより1年〜3年に1回の接種を受ける

レプトスピラ、ボルデテラ、ライム病ワクチンといった「ノンコアワクチン」は、「コアワクチン」にあたる混合ワクチンや狂犬病ワクチンと異なり、居住地域や生活習慣であったり、ペットホテルやデイケア、ドッグパークを利用するかどうかによって接種の必要性を判断することになる為、まずはかかりつけ医に相談するのが安心。ちなみに我が家では長女、次女ともに、ライム病以外のワクチンは全て接種している。

カナダで犬のワクチン接種にかかる費用(実例)

狂犬病ワクチン(3年間有効)
エドモントン C病院:31.00 (GST: +5%) = 32.55
ウィンザー S病院:35.32 (HST: +13%) = 39.91

DA2PP 混合ワクチン(3年間有効)
エドモントン:31.00 (+5%) = 32.55
ウィンザー:35.32 (+13%) = 39.91

レプトスピラ(1年間有効)
エドモントン:31.00 (+5%) = 32.55
ウィンザー:35.32 (+13%) = 39.91

ボルデテラ(1年間有効)
エドモントン:31.00 (+5%) = 32.55
ウィンザー:35.32 (+13%) = 39.91

怪我や病気の治療費が日本と比べると高いカナダで、ワクチン接種にかかる費用だけは適正価格であるようにも思える。

しかし、ワクチンの種類を問わずどれも費用は全く変わらず、それがエドモントンとウィンザーの動物病院のいずれにも言えることに、「本当にそういうものなのか?」と闇を感じてしまうのは、海外に暮らして長い者の悲しい性なのだろうか。

安く済ませたければアメリカに行くという手もある。

もちろんアメリカまで出向くのに便利な場所であることが前提条件ではあるものの、アメリカではより安価にワクチンを打ってもらえる「ワクチンクリニック (vaccination clinic)」があり、同じワクチンを5〜10米ドル程度で接種可能になる。クリニックによってはその地域に住まいがあることや、低収入の家庭であることを接種の条件としている場合もあるので、「no residency requirement」や「no income verification」といった説明があるかどうかの確認を忘れずに。

フィラリアの予防薬は?

蚊が媒介して感染する犬フィラリア症は、英語では heartworm disease と呼ばれ、カナダでも住む地域によっては充分注意を払わなければならない感染症だ。

エドモントン在住時は、当地の気温が1年を通じてフィラリア症を引き起こす寄生虫の生存条件を満たさず(夏でも気温が下がり過ぎる)、我が家の犬も特に予防薬は摂取していなかった。

しかし、6月にして既に日中の最高気温が30度を超える日が続出しているウィンザーだと話は全く別。日本と同様に、しっかりフィラリア対策をしなければならない。我が家ではかかりつけ医のアドバイスに従って今月(6月)から11月までの半年の間、月に1回予防薬を与えることにしている(費用は1匹につき6ヶ月分で227.49ドル)。

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