桜の季節に合わせて予定した一時帰国

海外生活が長くなり、それと同時進行で歳も着実に重ねると、人は何故か桜が恋しくなるものらしい。それならばと、桜の時期に合わせて計画した日本への一時帰国だったが・・・。

かつて20年以上も暮らしたアジアの国と違い、ここカナダに住んでいるとどうしても日本が遠くなる。バンクーバーのような西海岸ならまだしも、カナダでも東寄りの町に住んでいればそれもなおさら。だからこそ、折角の一時帰国時には普段から恋しくなる事も、逆にたまにしか思い出さないような事も、とにかく一通りやってしまいたくなる。

今月末に迫った一時帰国についてもイベント盛り沢山の10日間を予定していて、人間ドックやお墓参り(ここでも重ねた歳を感じずにはいられない)なども含めまさにフルコースと言ったところなのだが、そのメインとなるのはやはり桜だ。

元より桜の時期であるのを見越してこの頃の帰国を計画したのだから当たり前と言えば当たり前で、航空券を購入したその日から、長旅になることを憂鬱に感じつつも、同時にまた桜と会えるのをとても楽しみにしてきた。

それなのに。

今年は桜の開花がやけに早いらしい。東京では既に全国トップを切って開花宣言が出てしまった(3月14日)。史上1位タイの早さとのこと。そして来週にはもう満開を迎えてしまうと言う。そんなのあんまりだ。いくらなんでも早過ぎる。

帰国3日目に友人と行く約束の上野動物園。当然あの桜並木も歩くことになるはず。でもこのペースで進んでしまえば、その頃にはすっかり葉桜になってしまっているかも知れない。

桜を拝めない春なんて、それこそ喪中に迎える正月や、南半球で過ごすクリスマスみたいなものだ。

ところが、正月もクリスマスもいつやって来るのかを誰しもが知っているのに対して、特にここ最近の桜の開花時期に関しては正確に予想するのが難しいらしい。そんな時を狙って帰国を計画するだなんて、流石にギャンブルに過ぎるのだろうか。

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ちなみに私が帰国を手配したのは去年の12月半ば。そんなに早く手配するからだと言われてしまいそうだが、当時既に始まっていた航空券の高騰がその後どう変化するかも分からなかったし、世界各地の空港はコロナ禍から解き放たれ、羽をどこまでも伸ばさんとする人達でごった返し始めていた。

実際に私が手配したのと全く同じ日程とルートで、昨日改めて値段を調べてみると、なんと当初より1200米ドルも高くなっている。12月の時点では1400米ドルだったから倍近い額だ。それだけ人の動きが活発になっているということなのか、やっぱり早めに購入しておいてよかったと胸を撫で下ろしたのだった。

自分勝手な私は、桜を拝む為にこの時期に帰国するのにその桜が散ってしまっていては困ると言いたくなるけれど、いつ花を咲かせるかなんて、桜自身にだって決められない。それにもし早めの開花が地球温暖化の影響を受けてのものだとするならば、桜に「全てはあなた方人間のせいではないですか」と逆に諭されてしまいそうだ。

日本で生まれ、育った者として、桜の切なさや儚さには幼少の頃から触れて来ているし、だからこそ桜は美しいとも思う。ただ、海外に暮らす今、そこにつれなさまでもが加わってしまうのはちょっとつらい。桜の木はトロントにもデトロイトにもある。それでも私はやっぱり日本で愛でたい。どうかお願い、待っていて欲しい。

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