カナダではまともな家主に出会った試しが無い

カナダに暮らしてそろそろ7年が経つが、これまで何度か借りて来た賃貸物件でまともな家主に巡り合ったことは残念ながら一度として無い。

エドモントンに一軒家を購入して2年弱住んだ後、諸事情によりウィンザーに越して来た今はその家を貸し出しているのだが、人様には気持ちよく住んでもらえるよう、家主としていつだって誠実に、早急に対応するよう心がけているのには理由がある。

私自身がカナダに来てから出会った家主にことごとく不快な思いをさせられて来たせいだ。

ここでは基本的に何を解決するのにも日本と比べて時間がかかる。それこそ「海外あるある」というやつで別にカナダに限ったことでは無いだろう。実際こういった類の話題は他国に在住している人のYouTube動画やブログでもよく見かけるものだ。

それでも私は思わずにはいられない。

「時間を要するのは仕方無いにしても、人としてまず誠意を見せようよ」と。

悲しい哉、カナダでは誠意というものが絶望的に欠落している特定の業界が存在しているように感じる。特に不動産業者(個人家主を含む)と引越業者だ。

この国でこれらの業者を使った経験があるのに不愉快な思いをした覚えは無いという人が居たのなら、その人はとてつもない強運の持ち主か、生涯神様の御加護を受けることを約束されているのではないか。そう思ってしまうぐらいとにかく酷い。

ただでさえエドモントンの家の管理を依頼している不動産業者とバトルを展開している最中なのに、それと同時進行でここウィンザーの家主の誠意無い対応にも腹立たしさを覚えさせられた。

リビングとダイニングが続くエリアにただ一つの照明が付かなくなって1週間。その決して小さいとは言えない空間で頼みの綱はデスクライトのみ。その間まともな対応がされないのはもちろん、私の蒙る不都合に対し申し訳なさを表されることだって無かった。

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まあ何と言ってもカナダですからそれも当然と言っちゃあ当然。そうは思いつつも、だからと言って腹が立たない訳が無い。

どうしてって、家主が何もアクションを起こさずに1週間が経過し、ようやく修理工をよこして来る日になったらフリージングレイン(雨氷)のせいでキャンセルされ、その翌日に改めて来ると言っていたのがまたもやキャンセル。それもこの2度目のキャンセルの際にはただその事実だけを伝えるメッセージだけが届き、理由については全く触れられずじまい。

「え、どうして今日も?」と思ったこちらが、キャンセルするなら早めに伝えてくれないと困る、自分にも予定があるのだからと言ったところで、この家主は初めて前日の天気の影響で電気が止まった家や学校があるからその対応に忙しいとの理由を伝えて来て、「みんな困っているのだから仕方無い」と私が過去1週間困り続けて来た事実は完全無視。

伝えるべき理由を伝えるべき時に伝えず、余計なことはそうやって平気で言ってのけるアホ加減にはすっかり驚愕させられた。

更には、2度目のキャンセルを喰らった翌日にも先方からは何の連絡も入らず、とうとうしびれを切らした私から連絡すると、逆に私が状況を理解していないかのような言い方をされた挙句、来週にならないと修理工は手配できない、来週のいつになるかは現時点では分からないなどとのたまう。

やっぱりコイツ、ダメだ。そう確信した私は自分で頼める人を探すことに決めた。

早速グーグルで検索して連絡を取った1社目、土曜日であったにもかかわらず2時間以内に来てくれると言う。私はただ状況を説明しただけで、どうにか今日中に来て欲しいだなんてお願いしてもいない(土曜日なのだから当たり前)。

そうして時間より少し前にやって来た彼。あっという間に故障箇所を見つけ、あっという間に部品を交換してくれた。全工程は10分足らず。私が電話で連絡してからちょうど2時間で問題はものの見事に解決してしまった。

だから私は2日連続のキャンセルを喰らった翌日に何も連絡が無かった時点で家主に言ったのだ。「あなたは停電で1日や2日の不便を蒙っている見ず知らずの人にはリスペクトや同情を示せるのに、どうしてあなたが管理する家で1週間に渡って困っている私に同じことができないのか」と。

それさえあれば、私にそんなことを言われるまでも無く、別の修理工を探すことだって当然考えただろうし、解決まで1週間以上を要するようなことだって無かった。万一、別の人を手配することにまで頭が回らなかったと言うのなら、それはそれで申し訳無いが私も言いたい。「バカは嫌いなんです」。

日本とカナダを比べてどちらがいい、悪いと言いたくはない。ただカナダでの生活で、理想的に感じる要素と、不愉快にさせられる要素のどちらが多いかと聞かれれば、私にとっては後者の方が確実に多く、それに触れずに済むよう心がけながら日々暮らしているのは事実。

そうとは言え、既にカナダ国籍を取得し、今後もこの地で暮らして行く以上、そのような場面を避けられないケースも多くあるだろうし、否応なしに交渉スキルや戦闘センスを向上し続けるように迫られるのだろう。モンスターみたいで正直イヤなんだけど。

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