全車指定席の電車に確実に乗車するには事前の予約が安心
新幹線や特急列車には自由席と指定席の区別があるのが当たり前だと思っていたら、最近では自由席の設定が初めから全く無いタイプの電車も存在している。
東北新幹線の「はやぶさ」に秋田新幹線の「こまち」、そして山形新幹線の「つばさ」や北陸新幹線の「かがやき」だけでなく、在来線特急の一部に於いても、JR東日本管内の路線を例に挙げれば、中央本線を走る「あずさ」、常磐線の「ひたち」、東海道線の「踊り子」、更には「成田エクスプレス」などが全車指定席になっているらしい。
実際には「立席特急券」や「座席未指定券」といった切符を購入することで乗車が可能になるケースもあるものの、この場合乗車から降車までの全行程に渡って座席が確保されている訳ではなく、新幹線や特急に乗って移動する以上はそう短時間では済まないことを考えると、やはり確実に指定席券を入手した上で乗車したいところ。
私がよく乗る「あずさ」などは、曜日や時間帯によってはかなりの乗車率で、ギリギリで切符を買おうとすると既に売り切れなどということもある。デッキで1時間半、2時間立ち続けるのも厭わないなら「座席未指定券」を購入すればよくても、そうでなければ次の1本までまた結構な時間を潰さなくてはいけない。
指定席の予約は1ヶ月前の午前10時から
もしスケジュールが確定しているようであれば、電車の切符も早めに確保しておくに越したことは無い。
JRの指定席は、原則として乗車1ヶ月前(前月の同じ日)の日本時間午前10時から発売が開始される。前月に同じ日が無い場合、例えば3月30日・31日や、5月31日などに乗車するケースでは、それぞれ3月1日、5月1日から予約を入れることが可能となる。
この点はJRで外国人や一部海外在住の日本人を対象に販売している各種パスと異なっていて、先日私も入手した Tokyo Wide Pass は日本時間の午前10時を待たずとも1ヶ月前になったその時点からネット上で購入できる。
例として、3月1日から3日間有効の Tokyo Wide Pass をカナダのトロント(日本との時差は14時間)でネット購入する場合では、日本時間の2月1日深夜0時にあたるトロント時間の1月31日午前10時から購入可能。ところがそのパスを使って3月1日分の指定席を予約するには、日本時間の2月1日午前10時、つまりトロント時間の1月31日午後8時まで待つ必要がある。
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日本人利用者向けサイトと外国語サイトの違い
JR東日本の指定席をウェブ上で予約する時に使う「えきねっと」。
えきねっと(日本語)
JR-East Train Reservation(外国語)
外国語サイト上では「えきねっと」の名称こそ使われていないものの、そのURLを見るとやはり「eki-net.com」とあり、つまり日本語サイトと基本的には同じ予約システムであるように見てとれる。
しかし実際のところ全く同じとは言えず、その最たる例が「トクだ値」があるか無いかの違いだ。
「トクだ値」は「えきねっと」でのみ購入可能な列車、席数、区間限定の割引切符。中でも期間限定の「お先にトクだ値スペシャル」では50%オフという驚異的な割引率で、この「スペシャル」が設けられていない時期でも「あずさ」や「踊り子」なら通年で30%オフの設定があり、まさにその名のとおり大変お得な切符。
ところが外国語サイトではこの「トクだ値」が検索にかからない。表示されるのは通常料金のみ。日本語サイトで調べれば安い切符を購入できるところ、日本語ができない外国人が利用する英語や中国語のサイトでは通常料金しか出て来ないのは残念過ぎる。
外国語サイトはあくまでも各種パスを購入する(した)人を対象に開設したもの、ということなのだろう。パスさえ使えば個々の切符に別途料金を支払う必要が無いのだから。しかし実際には全ての外国人観光客がこうしたパスを購入する訳ではないことを考えれば、やはり外国語サイトでも「トクだ値」の切符を買えるようにする方が丁寧だと感じる。
幸いにも日本語を解する外国人である私は、パスと「トクだ値」を併用することで、より柔軟に、そしてよりお得にJRで移動できる。前述の Tokyo Wide Pass は日本到着日からの3日間に使って新幹線と特急を乗り倒し、日本を離れる前日に実家から羽田まで向かう際に乗る「あずさ」については「トクだ値」で3割引の切符を購入済みだ。