NEXUSカードの効力絶大 アメリカ入国が悪夢でなくなった日

アメリカの各主要空港での入国と言えば、それこそまさに悪夢と呼びたくなるほどのひどい混雑振り。ところが今回、私は前にも後ろにも並ぶ人が居ないという奇跡的な入国審査をJFKで経験した。

これまで、シカゴでも、ヒューストンでも、ロサンゼルスでも、空路からアメリカに入国するのは、私にとっていつだって悪夢でしかなかった。アジアから長距離路線に乗った後で心身ともに疲れ切った状態なのに、漸く到着したその国への入国を許可してもらう前段階(長蛇の列に並ぶ)だけで時に数時間を要し、自分の順番が回って来たと思ったら今度は仏頂面のオフィサーと対峙しなければいけないのだ。

ところが今回、私は1分足らずのうちにアメリカ入国を果たしてしまった。それもニューヨークはケネディ空港で(JFK)で。

今回利用したのは、シンガポール航空のシンガポール発フランクフルト経由ニューヨーク行きSQ26便。

そして到着したのがJFKのターミナル4。到着時刻は午前11時頃。

この時、NEXUSカード保持者が利用できるグローバル・エントリー(Global Entry)の列には、私以外誰一人として並んでいなかった。そのままキオスク(端末)へと辿り着き、画面にタッチすることも、パスポートを取り出すことも無く、メガネ(とマスク)を外した上でそこに設置されたカメラを数秒見ただけで審査は終了。

そこから荷物をピックアップする場所へと出る前に係員が居たものの、ほとんど私の方を見向きもせずに「You’re all set」の一言でそのまま通してくれた。

到着する空港とターミナル、そして時間帯によって差は当然あるのだろうが、少なくとも今回の私のケースではあまりに簡単に入国できてしまい、過去の苦しみは一体何だったのかと思わされる程で、これまでの自身と同じように行列に並ぶ人達を傍目に見ながら気の毒に感じてしまう私だった。

なんせシンガポールからはフランクフルトでの待機時間も含めれば全行程で22時間にもなる超長距離路線。ニューヨークに到着した時には誰もが疲労困憊なのだ。

ちなみに、私は飛行機の最後方の座席に座っていたから、私よりも先に降機していた人は幾らでも居た。この便はエアバスA380型機という巨大な飛行機を使用しているばかりか、ほぼ満席でもあった為に、450人を超える乗客を載せていたはず。それにもかかわらずこうも呆気なくアメリカに入国できるなんて、もう完全にNEXUSカード様々だ。

NEXUSカードを所持することのメリットはスムーズな入国だけに留まらない。私はこの後JFKからデトロイトまで別便を乗り継ぐことになるのだが、この際にもNEXUSが与えてくれるTSA PreCheckの優先スクリーニングで、これまた専用レーンを通ってあっという間に保安検査を通過できた(この特典はカナダ在住者の場合カナダ国籍の者に限って付与され、カナダの永住権保持者は対象外)。

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普段から陸路で頻繁に米加間を移動している私であるからこそ、やはり空路でのアメリカ入国こそNEXUSカードの効力が最大限発揮される場面であるのを改めて思い知らされた今回の旅。5年間有効のカードの申請に書類提出、面接といった一連の過程を経て、50米ドルの費用をかけるのがお得かどうかであるのか、それは人それぞれなのだが、特に空路をよく使うのであれば充分価値があるものではないだろうか。

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