走行距離10万kmなんて当たり前?走り潰すまで乗られる北米の車

日本で車を購入した経験の無い私でも、10万kmも走ればそろそろ寿命などという話は聞いたことがある。ところがここ北米では、それを遥かに上回る走行距離の中古車が当たり前のように市場に出回っている。

現在私が運転するのは、当地では「demo」と呼ばれ、元はディーラーで試乗車として使われていたもので、購入時の走行距離が2500km程度の俗に言う新古車。その後6年半の時を経て10万km突破も目前にしている。

ちなみに北米でも高い信頼性で評判のいい日本車ではない。どこにでも走っている至って普通のアメ車だ。

冬が長いだけでなく、最も寒い時にはマイナス40度にもなるような町で何年か運転したり、引越の為に数日間で何千kmも走るような無理をさせて来たにもかかわらず、幸いこれまで特別故障することも無く、今も元気に走り続けてくれている。

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それまでカナダに移住する前に住んだ国はおろか、日本ですら車を購入した経験の無い私が、6年半前ようやく必要に迫られて車選びをすることになった際に気にしたのは価格とネット上での評判ぐらい。基本的には車そのものに対する好みを重視して買ったのが今の車だ。

リセールバリューという言葉と概念を知ったのもまさにこの時だったのだが、私自身はこの点を気にかけることは無かった。その理由となったのが、北米では車はとにかく乗り潰すまで乗るという感覚の人が多いことで、その証拠に中古車市場には走行距離が10万kmどころか、20万kmにも達しようかという車が幾らでもある。もちろんそこには日本車だけでなく、アメ車や韓国車なども多く含まれる。

つまり普段のメンテナンス次第で車はそれだけ走れるということでもあり、リセールバリューを考えるぐらいなら好きな車を大切に乗り続ける方がいいように思い、アメ車を購入することに対して抵抗も懸念も無かった。

ただ、メンテナンスとは言ってもそこまで入念にする訳ではなく、ボディーに傷がつこうが、フロントにヒビが入ろうが、結構そのままにして走っていたりするのが事実。ここではそれぐらいの事でいちいち気にしていたら、何度修理に出さなければいけないか分からないから。

分かりやすい例を挙げれば、以前住んでいたエドモントンのように降雪時の滑り止めに砂利を撒くような町だと、最高時速110kmの幹線道路を走行中に周囲の車が弾いた石が飛んで来るようなことは頻繁に起きるから、運が悪ければわずか一冬でフロントガラスに2つも3つもヒビが入るなんてことだってあり得る(経験談)。その度に直したり、交換したりしていたら、費用はバカにならないだろう。

そういったことには目を瞑るかわりに、オイル交換はもちろん、その他諸々の点検を定期的にしてもらい続けて来た結果、地元である北米でもその耐久性は日本車に劣ると評されるアメ車ながら、カナダの苛酷な環境下で10万kmを無事に突破しようとしているのが私の車だ。

同時に、もしものことを想定して、次の候補となる車についても考えておきたいところ。これまでカナダで6年半に渡って車を所持した間に蓄積した経験値もあり、次回また車を購入するとなれば、その際の選び方も前回のそれとは違って来る部分も少なからずあるだろう。

何しろ自動車保険がクソ高いカナダだから、メーカーや車種によって大きな差が出る保険料を考慮に入れて車を選ぶことも大切になる。加えてカナダでは車の盗難事案も結構耳にする為、盗難に遭いやすい車種はなるべく避けたいところ。

そして、ウクライナでの戦争を起因とする燃料価格の高騰にしてもいつまで続くか分からず、車の燃費についてもこれまで以上に気にしなくてはいけない。ウィンザーに住む今でこそ、ガソリンは毎回アメリカで安く入れることができていても(カナダより30%近く安い)、いつまでこの地で暮らしているのかだって分からないのだ。

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トロントやモントリオール、もしくはバンクーバーに住んでいるのならまだしも、カナダ国内のその他の町に住む上で車の無い生活などまず考えられない。その維持費も含め、最も高価な生活必需品である車だからこそ、10万kmだろうが、15万kmに達しようが走ってくれるのに越したことは無いし、現時点で所有する車も、次に買うことになる車も、それを実現できるように大切にしたいと思う。

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