郵便事情があまりに信用ならなくてカナダの民は皆不安に駆られているという話

日本と比較してしまった時にカナダの郵便事情はあまりにもひどいというのは恐らく多くの人が感じている事。

「日本と比べるからそう思うんだ」と言われてしまいそうだが、私がこれまでに生活して来た他の国と比べてみてもひどいのだから(「先進国」の範疇に含まれない国を含む)、主観的に見ても、客観的に見ても、結局のところひどいと言われても仕方無いレベルにあるのは事実だろう。

私の住む地域の住民だけが参加を許されたFacebookグループがあるのだが、そこにほぼ毎日ある投稿内容に「私宛ての小包が間違って届いたお宅はありませんか?」や「別人宛ての荷物が私の家に届いています」といった、つまり誤配送に関するものがある。

いや、違う。ほぼ毎日という表現は正しくない。今となっては「ほぼ毎日」とするべきだろう。なぜなら、実際には誤配送は何も郵便だけにとどまらず、コロナウイルス感染拡大の影響でより多くの人が利用するようになった宅配便やフードデリバリーサービスでも頻繁に発生しているからだ。「どんだけ〜」のあの人ですら閉口してしまいそうな程に。

カナダで郵便事業を担うカナダポストも、DHLやUPSなどのクーリエも、Amazonからの配送も、そして個人にデリバリーを任せるUber Eats(ウーバーイーツ)も、とにかく揃いも揃って誤配送をぶちかます。天然なのか、わざとなのか、それとも何か他の理由があるのか。カナダには数多くの不思議があるが、もし「七大不思議」などを決めるとしたらこれは絶対に外せないと個人的には思っている。

それでいて、日本ではまだ最近になってようやく注目され始めた「置き配」がもう既に一般的、という時代の最先端を行ってしまっているのがカナダ。何もコロナのせいなんかじゃない。コロナがやって来る前からここは新時代に突入していた。

届け物をポンっと玄関先に置いて、(気が向けば)チャイムを鳴らし、そのまま去ってしまう。中から人が出て来るかどうかなどまるでお構い無し。そこが正しい配送先であるならばそれでもいいのだが、そうでない事がしばしば起こるのだから困る。自分とは関係の無い荷物や食べ物を置き残された側はたまったものではない。結果としてここのFacebookグループが賑わうのだ。

コロナの有無に関係無くして、このようなやり取りはカナダではもうあまり見られない。

そんな郵便・配送事情の残念な国に生活しているものだから、9月に更新を申請していたPRカード(永住者カード)が発行され、郵送されたと知った時も、また、今月上旬に同じカナダ国内宛てで小包を発送した後も、気が気でない日々を過ごしていた。

PRカードなどという大切なものにも拘らず、書留でなく普通郵便で郵送されるのは知っていたから、どこかで無くなってしまうのではないかと心配だったし、小包は小包で、発送した際に約2週間後の到着と聞いて、クリスマス前とは言えさすがに長くかかるものだから、その間ずっと追跡番号で状況の確認を怠らなかった。

幸いPRカードはその後無事に手元に届き、小包も追跡情報によれば今日になって先方の玄関先に配送完了したとの事だが、これにしても先方からの連絡を待たずにはとても確信など持てない。

そしてこれは去年の事。数ヶ月かけてコツコツと書き溜めていたクリスマスカードを30通近く出したものの、中にはその後相手から何の反応も無いままだった事があった。当然相手に確認したい気持ちがあったのは否めないのだけれど、当方のお世辞にも良好とは言えない郵便事情もあり、結局は確認せずに終わったのだった。

今年は私にも知らない間にコロナが影響していたのか、これまで毎年欠かさずに書いて来たカードをついに書かなかった。本当ならこんな時こそ手書きのカードで挨拶するべきなのかも知れない。でも最後の最後までその気になれなかったのだ。まあそれを書かなかった事でちゃんと相手に届くのかを気にする必要も無くなったのだし、その分心をより穏やかにしてクリスマスと新年を迎えたいと思っている。

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