カナダの市民権証書が届くまでの待ちぼうけ

コロナ禍のせいで、一大イベントとも呼べる市民権授与式ですらオンラインで行われるようになり、以前であれば授与式上で直接受領できたはずの市民権証書も、今では授与式参加後に郵送されて来るのを待たなければならなくなった。

長く、苦しい待機期間を堪え忍び、ようやく手に入れたカナダの市民権。ところがその後も宙ぶらりんな時間はもう暫く続く。何故なら、カナダ国籍になったことを証明する書類であるcitizenship certificate、つまり市民権証書がまだ手元に無いのだ。

この証書、コロナ禍に入る前であれば市民権授与式で直接手渡されていたはずが、授与式が対面方式からオンラインでの進行へと移行したことにより、全て郵便で届けられるように変更されてしまった。今ではもう完全にコロナと共存しているように見えるカナダ社会でも、この点についてはまだ元に戻っていない。

市民権取得までに待たされた時間を思えば、ただ証書が届くのを待つだけでいいのは大した事ではないように思われる。しかし実はこの時期こそ最も身動きが取れず、不安定感を覚えされらせる時期でもある。証書が手に入らなくてはカナダのパスポートの申請もできないからだ。

市民権が取れる前なら日本のパスポートで自由に出入国が可能でも、カナダ国籍となった以上は日本のパスポートを使うことはできず、カナダへの再入国時には必ずカナダのパスポートが必要になる(出国については出国審査そのものが無い為問題は無い)。

これまで毎週末は対岸デトロイトまでスーパーでの食料品の買い出しに、コストコでガソリンを入れに、果てはコインランドリーで服の洗濯にと出かけていた私が、パスポートを持たないが故にその全てをカナダ国内で済まさなければならない。

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証書が届くまでに要する時間は完全にケースバイケースで、それを決定する最大の要素はと言えば、どこのオフィスが進行する市民権授与式に参加したのかだ。

移民局のオフィスはカナダ全土各地に散在していて、コロナ禍以前なら居住地から最も近い場所に赴いて授与式に参加していたところ、オンライン方式に変更されて以降は状況が変わり、遠地にあるオフィスが進行するオンライン授与式への参加を手配されるようなことが起きている。

私のケースがまさにこれで、同じオンタリオ州のナイアガラフォールズやミシサガにあるオフィスによる授与式ではなく、どういう訳かサスカチュワン州のサスカトゥーンオフィスが進行する授与式に参加者として名前を載せられてしまった。

サスカトゥーンはここから2500kmも離れた遥か彼方。つまり証書が届くまでそれだけ余計に時間がかかるということ。

実際に今回証書が発送されてから私のところに届くまでまるまる1週間を要した。ただ国土が大きいからという理由だけではなく、何よりこの国の郵便事情が料金不相応の悪さを誇ることを忘れてはいけない。

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ところが、ネット上で他の人が上げていたスレッドを見ると、もしかすると私は案外ラッキーだったのかとも思う。何故か?それは証書そのものが結構早く発行されたこと。カルガリーやモントリオールオフィス進行のオンライン授与式に参加した人達が、1ヶ月待っても、2ヶ月待っても、それでもまだ証書が届かないと嘆いているのを見たのだ。

如何に馬鹿げた郵便事情ではあっても、さすがに同じ国内で1ヶ月もかかって届くようなことはあり得ない。つまり、授与式に参加してからそれだけ長い時間待っても証書が届かない理由は、授与式を進行したオフィスが証書の発行に手間取っているということ。前述のカルガリーやモントリオールだけでなく、ミシサガでも同様の問題が発生しているそうだから、やはり大都市にあるオフィスでその傾向があるのではないかと思う。

ちなみに、サスカトゥーンオフィス進行による授与式に参加した私の場合は、

9月14日、授与式参加

9月21日、市民権申請の進行状況を確認するサイトで「ケースクローズ」

9月22日、市民権証書発送

9月29日、市民権証書送達

という流れだった。

証書を手にした日の午後、パスポートの申請書類を準備し、顔写真も撮って、翌朝にはその全てを手に意気揚々とパスポートオフィスへと出かけた。ところがだ、ここでまたテンションガタ落ちにさせられる事態が発生した。

なんとこの日(9月30日)、大抵の一般人は休みにならない祝日である National Day for Truth and Reconciliation とのことで、パスポートオフィスは開いていなかったのだった(公務員は休み)。

今までであれば、「みんなが働いている時にまた公務員は・・・」などと文句のひとつでも言ってやりたいところだったかも知れない。しかし今こうしてカナダ人になった以上、自分が休みになろうがなるまいが、この国の祝日をもっと知り、それぞれの意味を理解する努力もしなければならないと、これを機に自らを戒める機会をもらったと捉えることにした。

いずれにしてもパスポートオフィスはまた開くのだから。まあフレンドリーに行こうじゃないか。

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