日本国籍を喪失する前に調べておきたいことをリストにしてみる

「日本人だから」とよく知っていると思っていた日本のこと。ところが「元日本人」になろうとしている今、実は知らないことが結構あることに気がついた。

これまでに日本人として、有り難くも当たり前のように与えられて来た様々な資格と権利。

しかし、カナダの市民権を取得して「元日本人」となり、住んでいるのも日本国外である場合、どの資格と権利を継続して保持できるのか、或いは失うことになるのか、そして失うのならどう対応するのか、前もって調べておかなければならないことは少なくない。

日本の運転免許証と自動車保険の有効性

ー 運転免許証

英語表記であるカナダの運転免許はとても便利で、お隣りアメリカはもちろん、実はヨーロッパの多くの国で運転する際にもそのままで通用し、レンタカーを借りるような場合でも国際免許の提示を求められない。

では日本でも同じ方法で運転できるかと言えば、残念ながら答えは「ノー」だ。日本で運転するには当然日本の免許を使うか、カナダの免許を使うなら国際免許も一緒に所持していなくてはならない。

とは言え、普段カナダで運転している人でも、その大半は私のように日本の免許を引き続き保持しているはずだから、帰国する時にわざわざ国際免許を取るような手間もかからないだろう。

しかし、日本国籍を失い、日本の長期滞在ビザでも取得しなければ住民登録すらできない者のケースはどうなるのか。

日本の免許には住所が記載する欄があるのに、外国人となり、日本国内で住民登録をしていない以上、そこに記載すべき住所が無い。そして名前の表記にも変更が必要になるかも知れない。それまでは漢字で山田太郎と書かれていたのが、外国籍となったことで、ヤマダタロウや、YAMADA TARO(或いはタロウヤマダやTARO YAMADA)への変更を迫られるのではないか。

ー 自動車保険

自動車保険についても分からないことが多い。私の実家で両親が加入しているのは、適用範囲を家族限定に絞ったタイプのものだと記憶しており、この家族限定の定義を調べてみたところ、「記名被保険者(実家のケースでは私の父)またはその配偶者の別居の未婚の子」が含まれていることは分かった。つまり私がまさにそれに当たるのだが、外国籍となり、日本に住民登録が無くても適用されるのかには不安がある。

また、多くの保険会社で、日本の運転免許を持たない者の加入は不可との案内があるだけで、では、記名被保険者ではない私が、上記の「家族限定」の適用範囲に含まれると認定された場合に、カナダの運転免許+国際免許で運転をしたらどうなのかについて、これまでまだその答えが見つかっていない。

国民健康保険からの脱退後に頼れる緊急時の医療サービス

これまでならば、一時帰国する度に眼科や歯医者に行っても、国民健康保険のおかげで安い治療費で診てもらうこともできていたのが、日本国籍を失い、長期滞在ビザ無くしては住民登録もできなくなる私に、国民健康保険に加入する術などもう残されていない。

かかりつけ医制度のカナダで医者にかかるとなると、そのままピンポイントで専門医に診てもらうことが叶わないだけでなく、CTやMRIなどで検査が必要である場合でも、それらの検査機器の絶対数が少な過ぎて待ち時間の長さが尋常ではないレベル。特に急を要すると判断されない限りは、手術に数ヶ月待ちなんてことは決して珍しくなく、先日もはるばるリトアニアまで股関節の手術を受けに行ったという人を取り上げた報道を見たばかりだ。

だからこそ、今後はもう日本の病院には頼れないものとして、カナダでもどうにもならない時のことも想定し、他にどのような選択肢が自分に残されているのかを考えておかなければならない。現時点で唯一思いつくのは、かつて香港在住時に人間ドックの為にほぼ毎年通っていたバンコク(タイ)の病院ぐらいだが、カナダからとなるとさすがにちょっと遠過ぎる感があるのは否めない。

日本の長期滞在ビザの申請方法

私がカナダの市民権を取得すると決めた理由の一つに、いざという時に日本で長期滞在ができるようにしておきたいとの考えがあった。

ここでのいざという時、と言うのは、例えば親の介護が必要になった時のようなことを指しているのだが、どれだけ日本での滞在期間が長くなっても、市民権(国籍)なら永住権と違って失うことを心配する必要が無くなるのはよくても、そのメリットを得た代償として、今度は日本での長期滞在を可能にするビザ(カナダ国籍者がビザを免除されるのは最長90日までの滞在に限られる)を申請しなくてはいけなくなる。

関連記事:『日本国籍を失ってでもカナダの市民権を申請すると決めた理由』

国籍上は外国人であっても、日本人の実子である事実に変わりは無く、そのようなケースでのビザの取得は比較的容易らしい。それでもこれまでに聞いたことも無いような書類を集めて提出しなければいけないことを考えれば、あくまで他の人と比べて簡単に済むだけで、実際には色々と面倒なのではないかとも想像する。

ビザが必要となるような事態に陥ってしまうと、申請の為に調べものをする時間すらも惜しいはずだから、何も無くて済んでいる内に、申請方法であったり、必要となる書類には具体的にどういったものがあるのかを把握しておきたいところだ。

老後、国民年金は受給できるけれど・・・

毎年20万近い額の保険料を納めていても、受給できる年齢が上へ上へと調整される一方で、もらえるようになったところで微々たるものに過ぎない年金。

海外に在住していても任意加入が可能な日本国籍者とは違い、外国人となり、外国に暮らす以上加入は許されず、受給年齢に達してもこれまでに納めた保険料の総額を基準にして支給されることになるから、それこそ雀の涙もいいところだろう。

私が気になっているのは、年金と戸籍制度との間に連携するシステムが構築されているのかどうかだ。これは国民健康保険にも言えることなのだが、つまり、私がカナダにある日本の在外公館に国籍喪失届を提出しさえすれば、日本国内で年金や国民保険といった制度からも自ずと名前が外されるのか、それとも自分から脱退を届ける必要があるのか。その答えが前者であった時、国籍喪失届を出してからどれくらいのタイムラグがあるのかも分からない。

いくら雀の涙程度でも、これまで20年以上に渡って支払って来た保険料を無駄にはしたくない。現状から想定できる受給額がどれくらいになるのかのシミュレーションをしてみたり、海外で受給する場合に発生するおおよその手数料を調べておこうかとも思っている。

オススメのダシガラより

11ヶ月:カナダ市民権申請の審査終了までに要した時間

カナダの市民権を申請すると決断するまでに数年かけたくせに、一旦申請書類を提出してしまうと急に時間の流れが遅くなったように感じられる不思議。

カナダの市民権取得申請を出して9ヶ月時点での進捗状況

本来「市民権の申請から取得までに要する時間は1年程度」だったはずだった。しかし実際のところ1年で取得できるなど全くの夢物語に過ぎないように思える。

カナダの市民権申請から半年が経過してようやく受理された話

コロナ禍のせいで人員不足に陥ったのは移民局も同じで、各種申請の処理には普段より時間を多く要しているのは知っていた。

「もう振り返らない」カナダの市民権取得申請を提出した話

皮肉にもコロナウイルスの大流行が手伝ったのか、いつの間にかオンラインでも市民権取得の為の申請ができるようになっていた。

コロナ禍の中カナダの移民向け語学クラスで学ぶ

コロナの影響でオンラインでのみ提供されている移民向け語学クラス。この状況では、学校も、先生も、学生も、皆一様に柔軟に対応せざるを得ない。