カナダで最も便利と言われるオンタリオ州で改めてアルバータ州での生活の質と便利度を比較検証してみる

生活の便利度を検証するとは言っても様々に異なる視点があり、特にその地が海外ともなれば、各個人の習慣、文化背景などの要素が多分に含まれ、最後に導き出される答えも全く違ったものになるだろう。

ここでまず初めに断っておかなければならないのは、現在住んでいるのがオンタリオ州でも最大の都市であるトロントではなく、アメリカとの国境地帯に位置するウィンザーだということ。トロントからは車で南西に4時間も走らないといけないような場所だから、当然ながらトロント都市圏が与え得る恩恵などほぼ享受することは無い。そして今回そのウィンザーと比較するのも、アルバータ州最大の都市カルガリーではなく州都エドモントン。100万を超える人口規模があり、ウィンザーとトロントのような差は無くとも、あくまで州内第二の都市である事実は頭に入れておきたい。

エドモントンで営む食生活はコストパフォーマンスが高かった

ウィンザーに初めて部屋探しにやって来た際、事前に調べておいたアジアの食材を入手できるスーパーをハシゴした私。実はちょっとばかりがっかりした。大体のものは手に入る。それでもエドモントンと比較すれば明らかに物足りなさがあり、何より同じものでも価格に結構な差があったからだ。中でも特に長ネギときのこ類は倍ぐらいの値段設定で、そのいずれもよく使う私にはかなり痛い。

もうすっかり忘れてしまっていたのだが、ニューブランズウィック州からエドモントンに引越し、初めてT&Tに買い物に出かけた時に覚えた感動が思い出された。エドモントンに3軒あったT&T、オンタリオ州でもトロントやオタワなどに展開していても、それらの大都市圏から離れたウィンザーにまでは流石に手が回らないらしい。

その上ウィンザーには頼りになる韓国人経営のスーパーも無い。スーパーはあるにはある。でも使えない。使いたいと思えない。ダウンタウンのとあるスーパーは一度行ったきりで、もう次回は無いだろうと思う。

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より安価で質の高いエドモントンの住環境

アルバータ州でもエドモントンやカルガリーといった町は人口の増加が顕著である為に、町そのものが発展を続けており、次から次へと新しい家やアパートが建てられていて、家探し(部屋探し)をする上でも選択肢がより豊富で、それぞれの条件に見合った家(部屋)が見つかりやすい。

対してオンタリオ州では、トロント一帯では家賃の異常な高騰がネックになるし、ここウィンザーの場合は築年数の古い物件が大半であちこちにガタが来ている建物が多く、トロントまでとは行かなくとも、コストパフォーマンスはエドモントンでのそれと比べて圧倒的に悪い印象があるのは否めない。

私が住んでいるのはウィンザーでもダウンタウンから程近い地域にあるアパートだけあり、利便性は悪くないものの、その分浮浪者や薬物中毒者がふらついていたりなど治安の面ではいささかの不安があるのも確か。それでも1ヶ月の家賃は1600ドルしているのだから、2LDKの部屋であることを考えてもエドモントンと比較すればかなり割高の印象だ。

アルバータの物価はオンタリオと比較して総じて低め

私がカナダに移住してから生活したことのある州は、その順番に並べればケベック、ニューブランズウィック、アルバータ、そして今のオンタリオになる。特に食料品などは産地に近いのかや、物流の条件による影響などもあり、それぞれの場所で価格が高いものと安いものはあるものだが、ここウィンザーに越して来て改めて感じるのはエドモントンの物価は平均して低めであったということ。

前述のアジア系スーパーでの買い出しにしても、ガソリンの価格にしてもそう。元々税金がオンタリオの13%に対してアルバータでは5%と低く設定されているのを抜きにして考えても安く、そのせいで貧乏性の私はウィンザーに来てから何にしても購入を悩むことが増えたような気がする。

唯一、アルバータに住むことで余計な出費となる原因は冬の長さと寒さだろうか。その分暖房を使わなくてはいけない時期も長く、防寒具もその寒さに耐え得るだけの厳寒地仕様のものを用意する必要がある。

ウィンザーには無くてエドモントンにならあるもの

当時も感じていたことではあるが、今になって思い返してみてもエドモントンでの生活は充分過ぎる程に便利であったように思う。アジアの食材を入手できるスーパーが何軒もあり、コストコは市内と近郊に8軒が点在する。ウィンザーはと言えば、使えるアジア系スーパーもコストコもそれぞれ1軒ずつあるのみ。イケアやユニクロもがエドモントンになら店舗を構えているのに対し、ここウィンザーでは当然ながら望むべくも無い。

もう一点、日本人として生活する上で便利な「領事サービス」。事前に申請さえしていれば、領事館のあるカルガリーまで出向くこと無く、発行してもらったパスポートや各種証明書をエドモントンで受け取れる有難いサービスだ。数ヶ月に1度提供される程度でも、同様の恩恵を受けられないウィンザーに比べればよっぽどいい。更に皮肉なのは、私の家からも見えるデトロイトのオフィスタワーにも領事館があると言うのに、ウィンザーは管轄外であるが故にお金と時間をかけてトロントまで行かないといけないことだ。

カナダ国内外への交通の便も比較的良好なエドモントン

お隣りアメリカ同様に国土面積が広く、国内の移動は基本的に飛行機に頼ることになるカナダ。とは言えその人口規模は遠くアメリカに及ばない為に、ごく一部の主要都市を除けば飛行機移動の利便性にも物足りなさを覚えてしまうのが現実。そのような状況にあってもエドモントン国際空港なら国内主要各都市へのフライトが頻発している他、アメリカのシアトル、ヒューストン、ミネアポリスや、ヨーロッパならアムステルダム等のハブ空港への航空便があり、他の目的地へも乗り継ぎがしやすい。

そんなエドモントンに比べ、ウィンザーには空港こそあっても通年で就航しているのはトロントのみで、1日に3〜4本程度に過ぎず、同じくトロントまで通じている鉄道も運行本数は飛行機と変わらない。対岸の遠くない場所にデトロイト空港があるのは幸いだが、一旦陸路経由でアメリカに入国しなければいけない不便を嫌う人も居るかも知れない。

同じ国だとは思えない程異なる気候条件

一括りに「カナダは寒い」と言われても、カナダ国内の気候にも各地で大きな差があるのは住んでみてこそ分かるもの。日本からトロントに移住した人は「トロントは寒い」と言う。でもエドモントンに住んだ者に言わせれば「トロントなど寒いうちに入らない」だ。ウィンザーなどはそのトロントよりも更に暖かいのだから、エドモントンと比較検証すると言っておきながら「ウィンザーごときが全くもっておこがましい」と感じてしまうのは、現実にそれぐらいの差があるのだから仕方が無いとも思う。

気候の差は生活の質や便利度にも決して小さくない影響を与える。単にその寒さに耐えられるのかなどという問題ではなく、そこに住む以上はそれに耐えた上で、身体的にも精神的にも上手に付き合わなくてはいけない。他のどの季節よりも冬が長く、最も寒い時期ともなればマイナス40度にまで気温が下がることすらある町でどのように生活すればいいのかなど、大抵の人はそのような経験が無いのだからその場で学ぶ以外に方法など無い。

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