「ひとりごと」

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遠いカナダでコロナ禍に於ける日本の入国規制に思うこと

コロナウイルスの流行から早2年が経過しようとしている今日この頃。2年にもなると言うのに、我が故郷、日本の状況は依然として何も変わっていないように見えてしまうのは、単に私が「外国かぶれ」であるだけのせいなのか。

国が違えば社会のシステムが違い、このコロナ禍に於いて対処の仕方も違う。無論そこには流行の度合いに受ける影響だって反映されているだろう。それにしても日本の現状はと言えば、いつまで経っても方向性が定まらずに、「ゼロコロナ」でもなく、「ウィズコロナ」でもない、どっちつかずの状態が続いているように思う。例えその場しのぎであってもしっかりと対応できているのであれば臨機応変だと評価できても、現実には全く対応できていないのだからただ人々を振り回しているだけに過ぎない。2年が過ぎてもそれではいくらなんでもお粗末だ。

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こうして海外に暮らしていると気になるのが日本の入国規制。当然ながらこれもまた政府のコロナ対策の一環であり、故にブレブレで方針とは呼べない方針に左右されるばかりでなく、その内容にしても頻繁に変更されている。科学的根拠があって変更がなされる分には一向に構わないし、そうして設定された規制ならば何人たりとも遵守するべきだ。悩ましいのは理屈に合わない規制にしか思えなくとも、規制である以上は守らざるを得ないことで、そのせいで帰国を阻まれる身としては悔しさすら覚える。

国内で既にこれだけウイルスが蔓延している中で、海外からの入国者ばかりが「特別扱い」されるのには理解に苦しむ。例えば今カナダから帰国すれば、まずは3日間検疫所によって指定される宿泊施設での待機が求められ、その後更に4日間は帰国者自身が確保する場所で自主隔離することを迫られる。帰国前の検査で日本が求める複雑な書式要求を満たした陰性証明を取得済みで、入国時にも空港で再度検査を受けた結果改めて陰性であるのが確認されてでもこの扱い。日本で「三密」状態の電車に揺られて通勤、通学している人より、何度も検査を重ねてようやく入国している人の方が危険分子とされる根拠はどこにあるのだろう。政府による決定でありながら、まるで実情を知らずしてただ「海外は怖い」と言う一般庶民と同レベルじゃないのか。

方向性が定まった上であれば、状況が改善しようと、逆に改悪になろうと、まだ辿るべき道筋がある。方向性すら未だに決まらないのなら、先手どころか後手にもなっていないし、これまでの2年間を無駄に費やしたのと何ら変わらない。それにもかかわらず「みんな頑張っているのだから」と言うのも、そんな時間の無駄遣いを更に助長しているのと一緒だ。互いを思いやる気持ちが尊かろうと、それも一旦度を越せば、質も意味も伴わない忖度と、何が、どれだけ違うのだろう。

「解決策すら出さずに不満ばかりたらたらと」?

解決策を出すのは私の仕事ではない。そんなものをここで出したところで、不満の声を上げるのと同様で社会の何かを変えるようなことは無い。海外在住者が相対する実情を記し、同時に不満の1つや2つでも吐いてしまえば、これから国外に出ようと計画している人への注意喚起になるだけでなく、私自身の精神衛生上もメリットがあるというもの。それなら私だって吐かないより吐く方を選ぶ。至極簡単な話だ。

今のような状況が続く限り当分日本には帰れそうにもない。元々10日から長くても2週間の滞在がせいぜいと言った一時帰国なのに、そのうち半分、或いはそれ以上の時間を待機やら隔離やらに持って行かれたのでは帰国する意味が見出せないし、私の帰国を知ったご近所さん方に何を言われるかも分からず、家族に迷惑を掛けることにもなりかねないからだ。そしてこの状況が長引いてしまった場合、現在申請中であるカナダの市民権を最終的に取得し、結果日本国籍を喪失した後には、今以上に日本への渡航が困難になるのかと思うと尚のこと頭が痛い。